金融緩和と格差拡大 | 秋山のブログ

秋山のブログ

ブログの説明を入力します。

ちょっと脱線して、米国の金融緩和の終了のニュースが流れている。そこで気になったのが、金融緩和が格差を拡大するという主張がニュースでなされたことだ。

金融緩和で拡大する根拠をいろいろ探してみたらこういうことらしい。金融緩和によって余ったお金は、土地や株に向かい、それらの価格を上昇させる。それによって土地や株を持っている富裕層の資産が上がり、持っていない低所得層との格差が広がるということのようだ。実に単純で幼稚な考えだ。

金融緩和で国が証券等を買い上げれば、証券で利息をもらって運用するのが困難になるだろう。特別な意図をもって価格操作をしない限り、確実に証券の価格を上昇させる=利率を低下させる。投資家はお金があまっていなければ土地や株を買わないわけではなくて、どれが得かで買うものを選ぶ。金融緩和で、土地や株が上がるのはまず当然のことで、金持ちが得するように思うかもしれないが、土地や株が上がっても、土地や株のそのままの価値があがったわけではない。土地や株の利益というのは地代や配当しかないわけで、流入による価格上昇の利益は結局はゼロサムのババ抜きである。(価格の上昇によって投資額あたりの配当は逆に下がる)

証券の利率が低下することの影響は、配当等に対する下げ圧力にもなるだろう。余ったお金が消費につながりよい循環がおこれば、まず賃金があがり、その後物価が上がるだろう(自然な一連の動きとして、物価上昇の後に賃金が上がるなどというようなことは決してない)。資産が目減りして配当等が下がる状況なのだから、資本家にとってこれはもっとも歓迎しない状況だ。そこで、そんなことをしていると金利があがるぞとか、格差が拡大するぞとか、起きることと真逆のことを喧伝したりしているのかもしれない。