先物の愚6 | 秋山のブログ

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もし価格を投機筋が自由にできたらという仮定の話。
Wiki先物取引日本に先物市場は必要か?Wikiブラック・ショールズ方程式

生産者と消費者にとって投機筋に価格を自由にされても、どちらかが得してどちらかが損をするだけで(十分大問題だが)投機筋に利益を吸い上げる機会などないように思える。
またWikiのいつも出すトウモロコシのヘッジの例では、吸い上げる機会だけでなく、実害もないように見える。
もちろん、これは間違いだ。自由にできるのであれば、生産者や消費者からいくらでも吸い上げることができる。

ヘッジをおこなう生産者と消費者は必ず同時期に同量の反対の注文を出すわけではないだろう(片方が先物でヘッジしない場合もありうる)。そして半年後にトウモロコシをいくらかで買う権利に対して、売る権利を買ったのが生産者かどうかはわからない。時間とともに先物の価格は変動していくわけで、生産者と消費者には権利の購入の時期に差がでるだろう。すると清算時の価格に差がでるわけで、価格を自由にできるのであればその両方の売り買いの権利を買っている投機筋はその差額だけもうけることができる。

投機筋が大きく価格を上げ下げすれば、生産者も消費者も、ヘッジのために先物に参加せざるをえなくなるだろう。

市場で入札によって価格が決まる時に、結果として現物をやり取りする必要がないならば、それは米を隠す倉庫が必要でない悪徳商人越後屋みたいなものだ。日本に先物~には先物の意義のある機能として、『換金実物取得機能があります。現物の買いニーズを持つ者が先物の買いポジションを持てば、在庫を抱える必要はありません』とあるが、こんなもの価格が安定していればもともと必要のない話である。