溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された!警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは?クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった。人気シリーズ、待望の文庫化始動!


ノンキャリアでは異例の昇進で、27歳で警部補となった姫川玲子が、花形の警視庁捜査一課殺人犯捜査係で、個性的な仲間やライバルたちと共に凶悪犯に立ち向かっていくお話。高校生の時に友達と映画を見に行った記憶があるので、自然と姫川は竹内結子さん、菊田は西島秀俊さん、井岡は生瀬勝久さんでイメージされました。


全体的に登場人物のキャラクター感が強くて、読書というよりドラマや映画を観たようなエンタメ感です。殺人ショーというグロテスクで凄惨な事件の中で、姫川警部補を巡る、菊田と井岡のコミカルなやり取りが箸休め的なアクセントになって面白いです。


姫川が過去のトラウマに打ち勝って警察官を目指したきっかけである法廷のシーンは胸が熱くなりました。そしてバックグラウンドを知った上で嫌な絡み方をしてくるガンテツが本当に嫌いだったけど最後まで読むと憎めなくなっているのが不思議。姫川の優れた直感によるプロファイリングは犯人の思考をトレースして同調してしまうが故の危うさがあると指摘したのも納得せざるを得ないし、仕事的にも姫川との個人的な関係においても美味しいところを持っていかれました。菊田もっと頑張れ!


あと地味にありがたかったのが最初に階級について説明してくれてたところ!警察小説って階級がよく分からないまま読んじゃうこともあるので助かりました。