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昭和二十九年四月五日集団就職列車第一号が、金の卵を乗せて故郷を後にする。
駅のホームには老若男女が大勢集まって列車の到着を待っている。
皆の視線は稜線でできた山間に雪渓が見える山の方角である。そこに登坂を黒煙出しながら蒸気機関車が走って来るのである。「来た」と誰かが大きな声で叫んだ。皆の視線が一点に集中した。黒い塊が出す黒煙が雪渓を覆いながら近づいて来る。
金の卵 連続ブログ小説 №61
石神井の家に着き息を荒立て玄関に駆け込んで、「花江さん」と大きな声で叫んだ。
花江が出てきて鳴きながら声を震わせて、「奥様」と言うと後は声が出ず一時奥様の手を握って言葉が出なかった。
ご主人様は寝室ですと言う花江の言葉に二階の階段を駆け上がり、寝室に入るとベッドに横たわる主人の顔には白い布がかけてあり、信じられない気持ちで布を取ると安らかに眠る貴の顔が見えた、「あなた」と言えば目を開けるかのような安らかな顔に、思わず頬をそえて名を何度も呼びながら泣き崩れた。
寝室には警察官が二名居たが、奥様が落ち着いたら説明しますので暫らくの間、下にいますからと花江に耳打ちして寝室から二人は出て行った。
暫らくして、麗子は気を取り戻して花江の方に向き直して声を震わせて花江に尋ねた。
「何故、病院でなく家に居るの」
「はい、それは救急車が来た時は亡くなっていましたので、死体は病院には搬送出来ないとおっしゃいまして」
「そうだったの、御免なさいね、お世話になりました」
その時、宜しいですかと刑事が声を掛けて部屋に入って来た。
「奥様、ご主人の死因が不明な為警察病院に搬送して調べたいのです、実は先程近くの医師に検死をお願いしたのですが、循環器系でも、薬物によるのでもなく不明なのです」
「では、主人を解剖するのですか」
「仕方ないですね、死因を突き止めないと調べが進みませんので」
「解りましたお願いします」
「それから、念のため鑑識が来て指紋採取など調べますので協力お願いします」
「はい」と返事をして俯いていた。
つづく
昭和二十九年四月五日集団就職列車第一号が、金の卵を乗せて故郷を後にする。
駅のホームには老若男女が大勢集まって列車の到着を待っている。
皆の視線は稜線でできた山間に雪渓が見える山の方角である。そこに登坂を黒煙出しながら蒸気機関車が走って来るのである。「来た」と誰かが大きな声で叫んだ。皆の視線が一点に集中した。黒い塊が出す黒煙が雪渓を覆いながら近づいて来る。
金の卵 連続ブログ小説 №60
貴はすれ違いの寂しさを癒す為か時々一人で石神井の家に行く事が多くなっていた。
貴が石神井の家に行く時は、必ず礼子が来て身の回りの世話をする様になり二人は幼い時の夢を実現しているかの様に楽しい一時を過ごしていた。
貴と礼子は過去を忘れたかのように、二人は互いに愛し合う仲に成り一時、貴は麗子を忘れるのであった。
貴は礼子と情を交わしても、麗子とは一身胴体、許して貰えると勝手な解釈をして回を重ねて一年も過ぎてしまった。
ある日、店に揉め事が起こり、姥塚組にお願いしても収まらず石神井に電話しても連絡とれず、明日金田社長と話し合う事でその場は何とか治まった。
閉店後、家と石神井に電話しても繋がらない、終電が済んでも帰ってこない。
麗子は店の後片付けを手伝って、店長に家まで送って貰いその夜は夫が心配で一睡も出来ないで朝を迎えた。
夜が明けて石神井に電話しても連絡取れ無いので、お手伝いの花江に電話して家を見に行ってくれる様お願いした。
暫らくして、思も寄らない返事が返ってきた。
麗子は電話器の前で夫は如何したのか、いろいろ想像していたその時、電話のベルが何時とは違った音で鳴り響き、麗子は何故か背筋が凍る思いがした。
「奥様、旦那様が大変です」
花江の声に麗子は何が起きたのか解らないが気が遠く成りそうになり声も出ない。
「もしもし、奥様聞こえますか、もしもし、もしもし」
「はい、聞こえます如何したの」
「旦那様が倒れていました。奥様に電話する前に一一九番に電話しました」
「ありがとう、すぐ其方へ参りますのでお願いします」
麗子は支度して石神井へむかった。
つづく
昭和二十九年四月五日集団就職列車第一号が、金の卵を乗せて故郷を後にする。
駅のホームには老若男女が大勢集まって列車の到着を待っている。
皆の視線は稜線でできた山間に雪渓が見える山の方角である。そこに登坂を黒煙出しながら蒸気機関車が走って来るのである。「来た」と誰かが大きな声で叫んだ。皆の視線が一点に集中した。黒い塊が出す黒煙が雪渓を覆いながら近づいて来る。
金の卵 連続ブログ小説 №59
二人は家から直接上野の店に行き、今日から勤務する事に成っていたので麗子は清三を店長及び他の従業員に紹介した。
清三の指導は副店長が担当でフロアーボーイの仕事から見習う事になった。
副店長は清三を三ヶ月間指導して、有楽町店を経営する事になっている。
三ヶ月過ぎると店長が本格的にキャバレーの経営を指導する事に成っていた。
ハーレムは上野本店の店長がボーイの仕事から経営まで全て教育し新店に送り込む教育をしている。
麗子社長が皆を召集した。
「今日から働く佐藤清三君です宜しく頼むね」
「承知しました」と店長が返事をして、自己紹介が始まった。
一通り紹介が終わると店長はホステスの紹介は出勤した時に紹介するからと締めくくり会合を終わらせた。
清三は初仕事に戸惑いながらも夢中で働けたのも、麗子ママが閉店まで居るのが励みに成ったのが一番だったに違いない。
何時もママはチーママに任せて店には出ないようにしていた。
本店開店当時は麗子が仕切り、此処まで大きな商いになるには想像も付かない苦労の毎日だった。
貴の力は元より、姥塚組の協力が水商売には欠かす事は出来なかった。
貴も始めたキャバレーの仕事が軌道に乗るまではと、いろいろ経営の提案もして何とか形が付いてきたが、その反面二人の間にすれ違いが生じて居る事など麗子はきづかなかった。
貴は麗子に資金援助は幾らでもするから山手線全駅に支店を出す位のきもちで経営するようにと、貴の夢を麗子に託すのであった。
つづく
日本一周一人旅 6周目挑戦中
ウオーキングとエアロバイクの歩数合計で記録
2026年9月18日〜2026年9月23日 6日間 75.2㎞
スタートから 5,485.8㎞+今回歩行分 75.2㎞=5,561㎞
名寄を2㎞ 通過 次 幌延迄 107㎞
日本一周8,955㎞-5,561㎞=3,394㎞(残り歩数)
北海道は区間が長いので更新日も長くなります。
過去の記録
第1周目 2009年12月23日 スタート 2013年8月15日ゴール
第2周目 2013年08月16日 スタート 2018年2月26日ゴール
第3周目 2018年02月27日 スタート 2020年8月27日ゴール
第4周目 2020年08月27日 スタート 2022年9月04日ゴール
第5周目 2022年09月04日 スタート 2025年2月02日ゴール
第6周目 2025年03月01 日 スタート ????
昭和二十九年四月五日集団就職列車第一号が、金の卵を乗せて故郷を後にする。
駅のホームには老若男女が大勢集まって列車の到着を待っている。
皆の視線は稜線でできた山間に雪渓が見える山の方角である。そこに登坂を黒煙出しながら蒸気機関車が走って来るのである。「来た」と誰かが大きな声で叫んだ。皆の視線が一点に集中した。黒い塊が出す黒煙が雪渓を覆いながら近づいて来る。
金の卵 連続ブログ小説 №58
「礼子さん、何処まで行くのですか」
と貴は話しかけたが礼子の返事が直にはかえって来なかったが、暫らくして口を開いた。
「もう一度思い出の石神井の家を見たいの、我がまま言って御免なさいね」
「いいですよ、私も用事が有るからこれから行こうと思っていたところです」
車から降りた二人はまるで恋人同士のように寄り添って歩きながら家に入っていった。
二人は食堂に行き椅子に座り、貴が礼子に何か飲みますかと冷蔵庫を開けて物色し、ビールとワインが有るがどちらにします、と片手にビールを持って尋ねた。
「ビールを戴きます」
貴はワイングラスを渡してビールを注ぐと、礼子はビール瓶を貴から渡され貴のグラスにビールが注がれ、乾杯と二人はグラスを合わせた。
礼子はビールを一口飲むと、食堂を見回して話し出した。
「懐かしいわ、以前と変わってないのね」
「変わっているのは表札位かな」と立ち上がり冷蔵庫からチーズを出してテーブルに置く。
「こんな物しか無いが我慢して摘んで」
「戴きます」と手にとって食べ始めた。
礼子は酔いが回ったのか、口数が多くなってきて、昔の事を思い出し貴に問いかけた。
貴が礼子との交際を両親にお願いした時の事を遠回しに言いかけるのである。
今更どうにもならない話、貴は黙っていると、礼子も黙ってしまった。
先日此処に来た時、家にも入らず帰ったのに、今日は二人で酒宴、心を開いたのか、それとも、幼馴染の懐かしさだけなのか、正式に離婚した礼子の気持ちが解らない貴だった。
麗子は「旦那の話、今日はこれまで」つづきは又後のお楽しみと笑いながら食事の後かたづけを始めた。
清三も食器を運ぶのを手伝ったので、早く片付いた。
つづく
昭和二十九年四月五日集団就職列車第一号が、金の卵を乗せて故郷を後にする。
駅のホームには老若男女が大勢集まって列車の到着を待っている。
皆の視線は稜線でできた山間に雪渓が見える山の方角である。そこに登坂を黒煙出しながら蒸気機関車が走って来るのである。「来た」と誰かが大きな声で叫んだ。皆の視線が一点に集中した。黒い塊が出す黒煙が雪渓を覆いながら近づいて来る。
金の卵 連続ブログ小説 №57
店の経営も順調に成績を伸ばし、二号店を出す計画が進められていた。
キャバレーの経営は麗子が担当し、貴の担当する不動産事業も順調に商いが進んでいた。
安田邸の隣地百五十坪なかなか買い手が付かない、もし道路に面していれば三分筆すれば買い手が付くが、其れも出来ず試案していると、話が舞い込み商談がまとまった。
思ったより高値で話がまとまり、報告に安田家に報告に行くことになった。
貴と安田の間にある約束があり其れを果たす為、貴は安田家を訪ねた。
「ごめんください」の声に、即返事がかえって来た。
「いらっしゃいませ、どうぞおあがり下さい」と出てきたのは何時もと違う爽やかな礼子である。
貴は礼子の態度をみて何か有った何時もと違う、悩み事が無くなった事を感じた。
応接間に通され待っていると、小母さんが入って来た。
「貴さん、お久振りです、いろいろお世話になり有難う御座います」
と丁寧に挨拶をして椅子に座り貴を見て「立派に成られて」と胸を詰まらせて目頭を押さえ、感謝の会釈を何度も繰り返し俯いていた。
安田との約束は貴が相場の60%で買、もし売れたら四十%を折半する話がまとまっていたので、約束の実行をする為安田宅を訪れたのである。
このような取引はお互いの信頼がなければ出来ない事であるが、急な負債の解決には仕方ない方法だと互いに納得していたのである。
その為、貴は土地取引で利益を安田は負債の整理が付きお互い納得のいった取引に満足していた。
礼子は旦那と何の問題なく離婚する事が決まり、双子の子供を抱えて実家で生活することになり、晴れ晴れとした気持ちで毎日を送って居ると言う。
今日安田家を訪れた時、礼子の応対が今までと変わっていた事にきづいた貴は自分が思った通りだったと何故かほっとしていた。
話も済み帰ろうとすると、礼子が出かけると言うので二人は安田家を一緒に出かけた。
大通りに出てタクシーを拾い石神井に向かった。
つづく
















