繋がるもの。同期し動くもの。 | 保管庫

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☆☆☆



彼は知っていた。


彼の足元に広がる世界も


頭上に深く横たわる世界も、


この次元の彼の動き如何でなんとでもなる、


なんとでもなってしまうということを。



その「世界」とは彼の内的空間に展開され認知されているものなのだが


それらは実際に、ここに重なるかのように存在していた。(厳密に言うと少し違うのだが)



足元の世界では、


極端に制限され、蔑ろ的に自由を与えられており、



彼は、そんな混沌とした世界に驚きや嫌悪感を覚えるよりも

むしろ親近感さえ感じていた。


それは彼の任務自体が、その次元と直接的密接的な関係性があることに

由来している。



彼の 一撃が  どのように、眼下の地で響き渡るのか


彼の 躱した刃の切る風が 彼の地の仲間に如何に吹くのか



常に、彼の研ぎ澄ました感覚に察知され


計算され  データは蓄積され


次の一手へと繋がれてゆく。




どちらの世界も


危ういバランスの上に立つことを




彼は 


今も 


承知し、


飛び、


走り続けるのだった。






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