今夜最後のキツめの一杯を飲みながら聴きたい一曲。
穏やかで冷静でいたはずの心がほんの少しのきっかけで激しく揺れ、胸騒ぎのようにざわつく感情。
そんな様子を表しているように感じる。
何度も「切なさ」を訴えてくるようなメロディは久石譲の『Two of us』 の世界観を感じさせる。
この曲はベース・辻本さんが作詞を担当している。
「君」と「僕」のこの「距離感」を居心地よく感じていたのは「僕」だけだった。
その「距離感」は決して二人で築き上げたものではなく、「僕」が勝手に作ってしまったものなのに。
なぜだろう、それでも愛されていると「確信」していた。
二人の部屋が「僕」だけの部屋になり、窺うように覗き込むのは「月光(つきひかり)」のみ。
「君」が居ても居なくても、この部屋で流れる「メロディ」は変わらない。
「何も言わずに去った君」の「最後の一言」がどんな言葉であれ、聞かせてほしかった。
男は自分の考えるシナリオ通りの恋愛を求め、陶酔する。
女は相手の考えるシナリオ通りの恋愛を演じ、期待する。
過去と今の安心を楽しむ男と、
今と未来の刺激を楽しむ女。
まだ筋書きにないはずの「別れ」で突然終わってしまった恋人としての時間。
せめてこの物語のピリオドは自分の手で打ちたいと願う男は「最後の一言」を聞きたがる。
が、もう演じてくれるヒロインはこの部屋にはいない。
思い通りにいかない恋愛にもどかしさを感じた時は「最後」がくる前にこの曲を聞いて自分を見つめなおしてみる、というのも悪くないだろう。