わたしは「妻」になりたくて
なりたくて、仕方がなかった。
それは
ただ「結婚」をしたいということではなくて
愛おしい人を、大切な家族を
穏やかに支えられる暮らしに
ただただ、憧れたのだ。
家にいて、
部屋には花屋の花を飾り
陽を浴びた洗濯物をたたみ
おかえりなさい、と抱きしめて
ささやかで親しげな料理をこさえ
安らぐ家族の顔を見つめている。
そんな暮らしが欲しかった。
けれど、運命はそれを許さず
生まれてほどない赤子を抱え
夫と別れたわたしは
シングルマザーになった。
男のように働き
女のように子を慈しみ
ときに荒海へ
ときに穏やかな海へ
いざやと漕ぎ出し、航海する日々。
熱をだし、頬を赤くし
うつろな目をして
ママ、ママと呼ぶ子を
涙をふりきり、
人にたくし、
社会という戦場へ出かけた日のこと。
子を連れた家族連れを見るに
ぎゅっと心は痛めど
母の自分のさみしさを
我が子に悟られてはいけないと
笑顔でおどけた日のこと。
わたしは「妻」が、うらやましかった。
憧れのセリフは「主人にきいてみます」
妻たちの、相談する人がいる余裕と安心。
察するところの、少しばかりの不自由ささえも
まぶしいものだった。
時を経て、子は育ち
かつてのような荒海に
漕ぎ出すことは無くなったけれど
未だわたしは、男のように、
日々、海に出ている。
なんのいわれか起業をし、
社会での役割に奔走している。
でも…、人生の半分を経て
この、思いと現実のギャップの意味が
ようやく、わかるのです。
わたしはやがて
最強最愛の妻になり、
最強最愛の母になるのだと。
自ら男としての役割を、担ってきたからこそ
戦地で闘う夫を癒せる妻。
自ら自己実現に悶え、実を結ばせてきたからこそ
未来を描く子を導ける母。
最強で最愛の
妻であり母になれるのは
自ら、男の役割を果たしてきた
わたしだからこそ、為せる技。
誰よりも家庭を守りたかった
わたしだからこそ、為せる技。
やがてはそうした経験のすべてを
世の女性に伝えるお役目が
巡ってくるかもしれないとすら思えば
思いどおりにならなかった
長い長い時のすべてが
愛しく思えるのです。
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