山岸涼子 バレエ作品を描くことへの思い
「ぼくらはマンガで強くなった」
NHK BS1
1月20日(金)放映
1971年に連載が始まった 「アラベスク」。
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メディアへの出演もなさらない
山岸涼子さんの
自筆のアンケート回答文が紹介されました。
●アラベスクの中で
こだわったシーンやポーズ
美しく描く際に特に大切にした点について
当時
漫画は 「ペンタッチをきかせる」 というのが主流でした。
描線に強弱をつけて太くしたり細くしたりするのです。
しかし
バレエポーズを
正確に描こうとすると
そのペンタッチや
デッサンを殺すことに気づき
自然と描線は
細く細くなっていったように思います。
ポーズは重心をくずさぬよう描くのが鉄則です。
●なぜクライマックスで
「ラ・シルフィード」 の作品を選んだのでしょうか
バレエ漫画に登場させる作品は
読者の皆さんにバレエの代表作を
知ってもらいたいと思って選びました。
ですから
ストーリーの終わりのほうでは
もう有名な作品は出しつくしていたのです。
「ラ・シルフィード」は
当時あまり知られていなく
派手なテクニックに頼らぬ叙情的な作品でした。
でも私としてはここにいたるまでに
読者も十分バレエを理解してくれているであろうことを
考慮して「ラ・シルフィード」にしたのです。
●ノンナが
自身の踊りを完成っせる重要な要素として
全身全霊で踊ったときに宿る「霊感」としていましたが
なぜ「霊感」を描こうと思ったのでしょうか
テクニックというのは極めれば行き着く先は皆同じなのです。
もっともテクニックもどんどんレベルアップしておりますが)
それで
そのテクニックに 「心」を込めるかどうかは
その人次第なのです。
役者が同じ台詞をしゃべっても
役をいかに解釈しているかで大違いなように。
ここでの 「霊感」 というのは
ノンナが
自分への評価や
踊りの出来不出来を外において
自己おのれの世界に投入できた事を現したつもりです。
●戦後少女マンガでは
バレエが一大テーマであり
現在もイラストなどで
バレリーナは描かれ続けていますが
実際にマンガで描くと
どのような難しさがありますか
バレエポーズを描くのが至難の業です。
なぜならポーズ(クラシックバレエの)は
決まっていて
正面から見ても
後ろから横から真上から見ても
決まった位置にしか手足がこないからです。
それ以外に描くと
ダンスにはなってもバレエにはならないのです。
当時は
雑誌の切抜きや
数少ないバレエ映画を見るために
8ミリ映写機を買って参考にしました。
望みの位置にくる後脚を
写真の中から探したこともあります。
●「アラベスク」を描いた26年後に
「テレプシコーラ」で日本のバレエ界を舞台に描きますが
なぜその時代に日本のバレエ界を設定として選び、描いたのでしょうか
日本のバレエ水準が格段に上がったことが要因です。
ダンサーの体型も
海外とひけをとらない美しさになりました。
身体能力を解剖学的に正しく分析して訓練するので
そこも描きたかったところです。(力不足でしたが)
●最後にバレエの魅力とは何だと個人的にお感じになりますか
バレエでの立ち方、動き方をマスターすることは
インナーマッスルを動かすことなのです。
ですので
驚くことにオリンピックに出場する
基本を獲得しているといっても過言ではありません。
人間の身体が表現することのできる最も「美しいもの」
それが
「バレエ」です。
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