2011.7/16(土)18:35キックオフ
@アウトソーシングスタジアム日本平
観衆:13599人 天候:晴れ
主審:松村和彦
清水エスパルス2‐1アルビレックス新潟
▽清水スタメン
--------高原--------
--小林-------アレックス--
--------小野--------
-----枝村--真希-----
太田-ボスナー-平岡-村松
--------碓井--------
▽新潟スタメン
----川又--B.ロペス----
-木暮----------田中-
-----本間---三門----
石川-菊地--鈴木-酒井
--------小澤--------
《得点》
5分(新)石川直樹 0-1
57分(清)小野伸二 1-1
90分(清)高原直泰 2-1
《選手交代》
46分(清)大悟→元紀
57分(新)川又→千葉
76分(新)木暮→チョ・ヨンチョル
78分(清)伸二→永井
78分(清)枝村→俊幸
90分(新)田中→ミシェウ
《警告》
なし
《退場》
55分(新)鈴木
清水エスパルス:勝点27
(7勝4敗6分/+1)9位→6位
ワンプレーの怖さを感じた試合でしたね。まぁ、痛感したのは新潟の方だと思いますが…。
連日の猛暑が続くこの時期、前節仙台戦から中2日でこの試合を迎えた清水と、前節から中5日のインターバルで迎えた新潟。
コンディション的には絶対的に不利。しかし、前々節よりこの過密日程を考慮した選手起用を行ってきたゴトビ監督。
この日は高原を先発に復帰させ、逆に元紀はベンチスタート。大悟がFWでの先発になりました。
試合は立ち上がりからコンディションに勝る新潟が高い位置からの積極的なプレスで主導権を握ります。
まずは前半4分、右CKからニアサイドの鈴木にフリーで際どいヘディングシュートを許し、肝を冷やします。
そして、その僅か1分後の前半5分でした。
今度は左CK。キッカー田中のキックをファーサイドでフリーになっていた菊地に折り返されると、これを中央の新潟DF石川に頭で叩き込まれ、いきなりの失点を喫してしまいます。
早々のビハインドを早く追い付きたい清水でしたが、前半の内容は正直酷かったです。今季のホームゲームでは毎度の光景になってしまっていますが…。
清水はバックパスとミスパスを連続。出し所に迷い(もしくは前に出し所がなく)とにかく後ろに下げたがる。たまに前に出したり、サイドを変えようとするチャレンジパスはことごとくミスになり、誰がと言うワケではなく、ほぼ全員です。まさしく負の連鎖。

そして前半25分、これもミスから大ピンチを招きます。
最終ライン・ボスナーの何でもないバックパスを受けた健平がキックミス。自陣ゴール前で相手FWにボールを渡してしまう大ピンチ。田中、川又に連続して決定的なシュートを打たれますが、これは平岡のブロックとポストに救われました。
これでも、まだミスの連鎖は止まらず。中盤でカットされてはカウンターを浴びるという場面が多く、元よりコンディション的に不利な清水にとっては最悪の展開。
追加点こそ許さなかったものの、完全に新潟ペースのまま前半終了。前半の清水のシュートは遠めから打った2本のみという停滞振り。
ハーフタイムにはゴトビ監督から激しいゲキが飛び、後半から大悟に代えて元紀を投入します…が、後半も攻めても、なかなかシュートまでいけない焦れた展開が続きます。
そんな中、試合の流れを一変させるシーンが訪れます。
後半9分でした。ハーフライン付近で新潟のスローイン。石川から一旦最終ラインの菊地へ下げます。そして菊地から逆サイドの鈴木へパス。
パスを受けた鈴木はダイレクトで菊地に戻そうとしますが、これがミスになりゴール中央のスペースにボールがこぼれます。
すかさず高原がこのボールを拾うと、一気にエリア内へ侵入。突破をはかった高原に対応した鈴木が後方から高原を倒してしまい、判定はPK&レッドカード。
『少し(PKを)誘った』とは試合後の高原。まぁ、さすがですね…。

千載一遇のチャンス。キッカーは伸二。

ゴール左隅に蹴り込み…

これで1-1の同点!!!
プレー再開後、混乱する新潟を尻目に清水が一気呵成に攻め込みます。伸二のシュートなどで流れを掴み始めました。
ちなみに同点になる直前にベンチからの指示で、大輔と真希がポジションを入れ替えていました。
これにより右SBに入った真希が躍動します。中央を固めた新潟に対し、清水はサイドからの攻撃が活性化し出しました。数的優位を活かし、完全に試合のペースを掴んだ清水は、新潟を自陣に押し込みます。
新潟の方はしっかり守って、ブルーノ・ロペスを中心としたカウンターに活路を見出だしたいといった状況。76分にはチョ・ヨンチョルを投入し、更にカウンター狙いの色が濃くなります。
数的優位で圧倒的に押し込みながら、なかなか追加点が奪えない清水は後半33分に俊幸と永井を同時投入して勝負に出ます。

後半37分。右サイドでタメを作った高原から真希へ。真希のクロスをゴール中央で宏介が頭で狙いますが、これは僅かにバーの上。
その後もサイドから中央から、果敢に攻め込みますが、なかなか追加点が奪う事が出来ません。
この攻めあぐねる状況に、同じく数的優位の状況ながら追加点を奪えず、逆に勝ち越しを許してしまった先日の川崎戦の悪夢がよぎった人もいたのではないでしょうか?
後半43分。ボスナーのフィードからセカンドボールを拾った元紀はアレックスへ繋ぎます。そのアレックスからパスを受けたのは俊幸。
ペナルティエリアやや外から利き足とは逆の左足で思い切り良くミドルシュートを狙います。
このシュートはGK小澤に防がれますが、このプレイで得たCKで歓喜の瞬間が訪れます。

キッカーは元紀。

高原がヘッドで狙う!!

叩きつけたヘディングはワンバウンドして新潟ゴールに吸い込まれます。

遂に逆転!歓喜の輪が拡がる!
この後はロスタイムの4分を凌ぎ切り、試合終了。ちなみに逆転勝ちは今季初です。

冒頭にも述べましたが、この試合のターニングポイントになったのは後半9分のワンプレイ。
鈴木のミスと、それを見逃さなかった高原の狡猾さ。
このワンプレイで試合の流れは一変しました。今回は清水にとっては幸運とも言えるシーンでしたが…
ひとつのプレイで、ここまで試合の流れが変わってしまうものなのか…と改めてサッカーの恐ろしさを実感した、という感じです。
この日のヒーローはやはり土壇場で逆転弾を叩き込んだ高原。
『サイコーーッ!』という雄叫びで始まったヒーローインタビューでは『厳しい環境でも本当に力強く生きている子供達と接して、自分たちのプレーでみんなを喜ばせたいという気持ちが強かった。疲れているから勝てないと言う言い訳は絶対にしたくなかった』と語った高原。
前節、仙台戦の翌日に監督・主将と共に被災地を訪れた高原でしたが…その行動を称賛する声が多くある一方で、過密日程の最中という事もあり、コンディションを心配する声も少なくなかったのですが…
『逆に子供たちからパワーをもらったんだ』と語っていた高原。疲れを言い訳にするどころか、子供たちからもらったパワーをゴールで証明してくれましたね、かっこ良すぎです…。


この日の勝ちロコは勝ち方が勝ち方だけに今季最高の盛り上がりだったのではないでしょうか?


前半は目を覆いたくなるような低調な内容でしたが、相手のミスを見逃さず、土壇場のチャンスに決め切って手にしたこの逆転勝ちは本当に大きな価値があるでしょう。
この試合が17試合目、リーグ戦も折り返しとなりましたが、この勝利で順位を6位まで上げ、後半戦は上位を見据えて戦える位置につけました。
試合内容は相変わらず課題が多く見られますが、これも改善の余地がある伸びシロだとポジティブに捉えましょうか…事実、結果が出ていますし、チームはどんどん良くなっています。
個人的には、この日の決勝点がコーナーキックから産まれたのも大きいと思います。今季公式戦でCKからの得点はこれが初めてではないでしょうか?最近は正直、まったく入る気がしなかったですしね…。
内容的に苦しい試合をセットプレーの一発でモノにする、というのはサッカーではよくある話で、そういった“したたかさ”を持ったチームはやはり強いです。
今後は岩下や平岡あたりがセットプレーから得点を奪うようなシーンにも期待したいところです。
守備に関しては、この日も粘り強く辛抱しました。
ここ数試合の貢献で大きく評価を上げた健平はこの日も好セーブを連発。
実は健平…この日の前半に犯したような決定的なミスをこれまで何度かやらかしているのですが(例えば磐田戦など)それが失点につながっていないのは、さすが“もってる男”とでも言いましょうか(笑)
素晴らしいセーブを多く見せているだけに、こうしたミスが失点になったら勿体ないでは済みません。
決して足元の技術がないわけではないようなので、集中力という事になるのでしょうか?気を付けてもらいたいものです。
DFラインでは、この日も岩下と辻尾が不在という状況でよく耐えたと思います。
…とは言え、ビルドアップの拙さは相変わらずでした。特に前半はDFラインでの回しでのミスも目立ちました。こちらも技術云々より集中力の問題なのでしょうが、一歩間違えば命取りになりかねないポジションです。この日の新潟のミスが反面教師になればいいのですが…。
この日の右SBは村松が先発。後半途中からは真希が入りましたが…やはり『本職の右SBがいない』という開幕前の不安がここにきて表面化してきましたね。
実は左SBも児玉新の長期離脱により、本職は『宏介しかいない』という状況です。
昨季を『勝負の年』と捉えるならば、今季は『ベース作りと現有戦力の底上げ』といった感じでスタートしましたから、正直シーズン中の補強に関してはあまり期待しない方がいいのかもしれませんが、このサイドバックの層の薄さは致命的な気がします。
もちろん資金的な事もありますし、優秀なサイドバックは希少価値が高いうえに、口説き文句としても『即レギュラー』というのは使えないでしょうから、かなり難しい面はあると思いますが、後半戦に臨むにあたってサイドバックの層の薄さは懸念材料なのは間違いありません。本職のバックアッパーが欲しいところです。
さて…次節、後半の初戦はセレッソ大阪戦。
ACLでは日本勢唯一の生き残りと健闘していますが、リーグ戦では序盤から波に乗り切れていないようです。
最近は守備にも不安があるようですし、更にエースストライカーのホドリゴ・ピンパォンの電撃退団でチーム状況はあまり良くないのかな?という印象ですが、2列目に乾や清武などの優秀なアタッカーを擁する危険なチームです。
こちらのメンバーがどうなるのか分かりませんが、ここ数試合同様に守備では辛抱強く粘り、不安視されているセレッソの守備をなるべく早い時間帯でこじ開けたいところです。
リーグ戦はここからアウェイでの3連戦になります。思うようにいかない時間帯も増えてくるでしょうから、この日の新潟戦のようにセットプレーを活かし、勝機を見出だす事も必要になるでしょうね。
…前半戦総括とかも書いておきたいのですが、それはまた改めて…気分次第という事で…。












