三大ギタリストの次は現代エレキ弾きの開祖ともいえるリッチーブラックモアについて。御多分に漏れず幼き日のワガハイもブラックモアにハマった。ハイウェイスターを改造ガットギターでコピーしたのは小学生のころ。初めて買ったギターがモーリス12弦フォークだったのはウイングスの影響、初エレキがナチュラルのグレコストラトだったのは第三期パープルのカリフォルニアジャムの影響だ。

クラシック的に小指も活用する運指、スウィープやエコノミーピッキングの先祖的右手、減五度を手クセ的に素早く入れるスパニッシュ的マイナーラインなど、現代のメタル/ハード系ギターに与えた影響はデカい。ワガハイが一番驚いたのは『ケンタッキーウーマン』のソロ。この人って実はとんでもなく引き出しの広い人で(若き日はスタジオワークもやたらやってるのだ)第二期パープル以降は敢えてあのスタイルに固定したんじゃないか? おそらく何でも弾けちゃう技量がある、というのがワガハイのブラックモア観。

アメリカナイズされたグラハムボネット加入以降は全く興味をなくしたが、そこまでの彼に名演は数多い。パープル結成以前のロードサッチとやった『ジャック・ザ・リッパー』は火を噴くようなヘビーロックンロール、インロックの『ハードラヴィンマン』、バーンの『ミストゥリーテッド』、レインボー1stの『スネイクチェイマー』、虹を駆ける覇者から『タロットウーマン』等々がワガハイの好み。70年頃のモノクロライブ映像なんか物凄い。

またブラックモアはギターや機材に拘るようで実はどうでもいい、という達人。ワガハイは巨匠寺内タケシと共通する部分が多いと睨んでいる。寺内氏は理想のトーンを「ナットあたりに耳を近づけ生で弾いたときの音」と表現なさったが、ブラックモアのトーンも狙いは近いと思う。ちなみにインロック期の凄まじい歪みは録音環境によるものだとの説が有力。このアルバムのサウンドはナパームデスと双璧だろう。ショボいノーマルストラトを使おうがあのプレイ、やはり恐るべき名手じゃな。


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