今回は 会計検査院 になります。
それほどなじみのある組織ではないかと思います。
名称の通り、会計を検査する機関になります。
対象は
- 国の収入支出
- 政府関係機関や独立行政法人の会計
- 国が補助金を出しているものの会計
になります。
所在地は、東京都千代田区霞が関3-2-2。
会計検査院は、先先回の国会(立法)、先回の裁判所(司法)、ここから先に出てくる内閣以下の官庁(行政)のどれにも属していません。
どこかほかの組織に属しているようであれば、検査をする機能が厳正に果たされているかどうかが怪しくなってしまいますからね。
その検査権限はすべての国家機関に及びます。
予算を見てみましょうか。
会計検査院の予算は
158億2452万4000円
になります。
- 職員基本給 61億4133万円
- 職員諸手当 31億8706万8000円
- 超過勤務手当 8億8667万円
- 非常勤職員手当 1665万円
- 休職者給与 2233万9000円
- 国際機関等勤務職員給与 21万9000円
- 短時間勤務職員給与 1億9111万3000円
- 公務災害補償費 2004万2000円
- 退職手当 7億2418万3000円
- 児童手当 4098万5000円
- 国家公務員共済組合負担金 15億 334万4000円
- 基礎年金等国家公務員共済組合負担金 4億1379万2000円
- 育児休業手当金国家公務員共済組合負担金 77万5000円
内訳はほとんどが人件費です。
会計検査院には、検査官が3人います。
国会の同意を経て、内閣が任命し天皇が認証することになっています。
任期は7年(令和5年4月以降は5年)です。
検査の独立性を確保するため、在任中その身分が保障されています。
検査官3人のうちの1人が院長です。
秘書官が1人、職員が1250人、非常勤職員は3人、国際機関等派遣職員が1人、短時間勤務職員が65人、働いています。
上記の人件費だけで131億円あまりになりますので、あとは特に触れるところがないかも。。。
- 検査旅費 3億9878万8000円
国内の実地検査旅費が3億6546万2000円です。
やはり検査のために全国飛び回るんですよね、きっと。
外国にも行きます。
海外の実地検査旅費が3332万6000円。
会計検査院のリンクを貼っておきましょう。
実績にも触れておきましょうか。
令和3年度の決算報告からいくつか見てみましょう。
不当と指摘された事項は259件、86億186万円になります。
たとえば、
総務省:新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の交付対象事業費の精算が過大など 772万円
1. 山口県 実施事業が補助の対象外 100万円
2. 山形県西置賜郡飯豊町 清算が過大 402万円
3. 高知県長岡郡本山町 事業を不実施 270万円
厚生労働省:雇用保険のキャリアアップ助成金の支給が不適正 3824万円
雇用保険で行われているキャリアアップを支援する助成金事業において、助成金の支給を受けた7事業主が、職業訓練を実施していないのに実施したと偽ったり、賃金総額を所定の割合で増額させていないのに増額させたと偽ったりするなど、支給の要件を満たしていなかった。
国土交通省:防雪柵の設置に係る設計が不適切 250万円
岩手県が花巻市と共同で実施した、道の駅「はなまき西南」の防雪柵設置事業において、設計が適切でなかったため、所定の安全度が確保されていない状況となっており、これにかかわる交付金相当額250万円不当となった。
いかがでしたでしょうか。
公共事業となると、ノーチェック、無駄が多いといったイメージがどうしてもつきまといますが、国自体もノーチェックなわけではありません。
独立した、強力な検査権限を持つ検査機関が存在します。
最も国民に理解されていない国家機関とやゆされることもあるそうですが、ぜひ以後お見知りおきを。 ←会計検査院のまわしものではありません。
次回は内閣になります。