❹「からい水」と「あまい水」
『「おやおや、これはみごとな桃だこと。おじいさんへのおみやげに、どれどれ、うちへ持って帰りましょう。」
おばあさんは、そう言いながら、腰をかがめて桃を取ろうとしましたが、遠くって手がとどきません。おばあさんはそこで、
「あっちの水(みいず)は、かあらいぞ。
こっちの水(みいず)は、ああまいぞ。
かあらい水(みいず)は、よけて来こい。
ああまい水(みいず)に、よって来い。
と歌いながら、手をたたきました。すると桃はまた、
「ドンブラコッコ、スッコッコ。
ドンブラコッコ、スッコッコ。」
といいながら、おばあさんの前へ流れて来ました。』
(青空文庫『桃太郎』より引用)
聖書では「苦い水」と「甘い水」になりますが、出エジプト記の15章に記述があります。
是非読んでみてください。
エジプトを脱出したイスラエルの民の、荒れ野を巡る旅が始まって3日目、宿営地の水が苦くて飲めなかった時のことです。
モーセに不満を言う民に対し、神さまはモーセを通して奇跡を起こします。
モーセに1本の木が与えられ、それを水に投げ入れると、苦い水は甘い水に変わり、民は救われました。
ちなみにこの1本の木はキリストの型です。
童謡の「ほたるこい」の歌詞にも甘い水と苦い水がでてきます。
また、おばあさんは川へ
「洗濯」に行ったのですが、この部分では「宣託」をしていますね。