2012年は、チビボビーとかクロとかいなくなってしまって、いつもネットでうさぎを探したりしてた。
そんな中で、誰にも似ていないジャックが目についたんだ。
埼玉の奥地、熊谷にも近い距離を見にいった。
スペイン生まれで、顔の色も左右違って
左のお顔~、右のお顔~と掲載されているのに大きくなっていたジャック。
どこか、くりむを感じるものもあった。
顔だけじゃなくて、耳も手足もうまくチェック柄。冬のセーターみたいな感じだった。
ジャックは小さいうさぎが並べられている下の方、客の足元にひっそり置かれていたね。誰も覗いてる人は居なかった。
迎える気持ちも固まってなかったから、本当に迷ったけど、下の方で大人しくしているジャックが可哀想で連れてきてしまった。
すこやかに育ったジャック。
後に、ツメダニには悩まされたけれど、うっ滞することもなく、大きな病気もせず、よく食べるいい子だったね。
みんなが食べられない野菜とか、新しいカリカリとか何をあげても
すぐ食べてくれた。
よくみんなに
「ジャックに食べてもらおうか」
と言ったもんだよ。
左のお顔
右のお顔
ジャックは案外臆病で、絶対に部屋から他へは探検には行かなかったね。
とにかく黒うさのぬいぐるみを追いかけるのが好きだった。
連れてくるときも、暮らしていても、なんとなく安心な子だった。
そんなジャックだけど、年齢とともに涙が出るようになった。
瞼が下がってきて、目がどこにあるかわからなくなって。
2019年の終わりころには、左足をちょっとかばうような動きがあった。あれは痛かったの?
あちこちの病院に行ったけど、エンセだとか傷だとか色んな診断を受けて。
抗生物質を飲んでいたから、
あんなに膿がひどくなるなんて
思わなかった。
ジャックは一番長生きすると思っていたんだよ。
段々、トイレに行くのもつらそうで
足のことものこともあるし、年齢もあるのかなと思ってた。
たくさん食べて元気だから、部屋の改造はしていったけど
足がまさかあんなになるなんて
思わなかった。
4月に小さな傷だったのが、7月には足全体に膿が広がり、お風呂・包帯交換が始まった。
膿もしぼってあげるという作業も。
痛かったでしょう。
不便だったでしょう。
寝たきりだったけれど8月中旬までは、包帯交換をすると立ってあちこちにつけてある水を、グルグル回って嬉しそうに
飲んでいた。
ボトルに頭をすりつけて、頭を濡らしたり。病院では、認知症が入っていて食欲があり痛みをそんなに感じていないと言われたけど、ジャックが元気に食べてくれてたから、それで良かった。
寝たままのオシッコなんて嫌だから、少しでも立てればと介護ベッドも買った。このままトイレもできたよね。
でも少ししか使えなかった。
ゆきも具合が悪くなった10月初旬、頭が上がらなくなってずっと横になっていたね。ぴゅあの最後に近いものを感じて、ジャックとはもうそんなに長い間、一緒にいられないと思った。
お風呂に入って、目薬して、野菜を食べてお水も差しだしたボトルから飲んで。
寝る前のおやつは、梨だったね。
ガリガリ食べて、寝たね。
翌朝、金曜の朝、ジャックは眠ったそのまま目を閉じて、月に向かっていた。
今でもドアを開けると、ジャックの黒い頭が動くのが見えるような気がする。
今はみんなのお骨が置いてあるけど、
ここは確かに、ジャックが一緒に
暮らしていたんだ。
ジャックは確かにここにいた。
ジャックの大きな頭を「ジャック~~~」って言いながら
また撫でたいよ。ジャック。
野菜が余っても、おやつを誰も食べてくれなくても食べてくれるジャックが
いない。
虹の橋は、ゆきこと渡ったの?
ジャック、みんなと待っていてね。
このままお別れなんて嫌だよ。
今は足も何でもなくて、走り回っているよね。
また一緒に遊ぼうね。