「谷川俊太郎さんに聞く-詩は絵本、絵本は詩-」

谷川俊太郎(詩人)×宮川健郎(武蔵野大学教授・児童文学研究者)

                              @国際子ども図書館




この講演は子ども図書館で開催している「日本の子どもの文学」展にて

2月14日(火)~3月19日(日)の期間中に谷川さんを紹介するコーナーを設けたのを記念して、

「これは谷川さんに来て頂きたい!」と展示も監修されている宮川さんが企画して実現したもの。


副題の-詩は絵本、絵本は詩-は

ギリシャの哲学者が詩と絵を重ねていたことがあったため。

(詩は時間的に展開しないので絵と近いと考えられた)


この講演、

ふたを開ければ谷川さんの朗読まである贅沢なものだったのです。

序盤に『ネロ-愛された小さな犬に-』

終盤に宮川さんと掛け合いで『わるくち』

質疑応答後、最後のさいごに『みみをすます』


『ネロ-愛された小さな犬に-』は谷川さんの詩人人生スタートの詩でもあるので、

それを60年近く経った今、ご本人の朗読で聞かれて感動しました。


谷川さんがキーン、と鳴るマイクの音響調整をお願いしてから講演はスタート。


当時の谷川さんは、お父さんが論文でよく雑誌に載っていたのでそれが当然と思っており、

文学界に入ったすごさも全然わからなかったんだそう。

でも初めてもらった原稿料は印象的だった、と。

谷川さんにとって創作は生活のためなようで

「なぜ谷川さんは歌や絵本を書き始めたのか?」

という問いに、

「詩では食べていけないので絵本や翻訳をした。詩より現実世界のことのほうが大事で、詩は二次的なものだ。」

と答えていた。


映画やテレビドラマの脚本も手掛けていることから、

「詩人がテキストを書くのはなぜか?」という問いにも「食べていくため。」と。

絵本の世界でプロフェッショナルな人は保守的になっていくが、

詩人たちは 新しいものをやりたい と思ってやっていて、

それがラジオ・ドラマなどの違う分野でフィットして、詩的なものが発揮されたのだと推測した。



話は谷川さんの少年時代の読書について触れる。

哲学者のお父さんの蔵書がびっちりあった家で育ったが教養になるようなものは読んでいなかったとのこと。

お父さんがアルスの児童文学を古本で買ってくれたりしたが

「お父さんから読書について何も言われなかった。ただお母さんとは仲良しだったので、もしかしたらお母さんがお父さんになにか言っていたかも。」

本がどんどん増えてしまうことを挙げ

「本に対しては愛憎乱れる感じ」と笑っていた。

物語絵本より認識絵本のほうを好んで、講談社から出ていた自動車図鑑が好きで絵が印象に残っているそう。

『日本童話集』松村武雄∥編(民話や落語まで入っていた)も好きだったらしい。

ちなみに漫画は子どもらしく『のらくろ』や『江戸っ子健ちゃん』が好き、

宮沢賢治の物語もよく読んで『銀河鉄道の夜』からは影響をうけたが詩集はよくわからなかった、と。