年明けから全国を巡回するこんな展覧会があります。


法相宗大本山興福寺は、創建以来千三百年の間、我が国の歴史・文化に深くかかわってきた奈良の名刹です。

法相教学の中心寺院として栄え、幾多の戦乱や災害の中で堂塔の焼失と再建を繰り返しながらも、優れた仏教美術を育み守ってきました。


 現在、境内では、発掘調査をもとに創建時の伽藍復興が進められています。

その中核となるのが、「中金堂」の約三百年ぶりの再建事業で、2018年秋の落慶を予定しています。

中金堂の内陣には、法相宗祖師を描いた「法相柱(ほっそうちゅう)」という柱が存在していたことが数々の史料に記されており、この法相柱の再現は今回の中金堂の再建に欠かせない事業です。

興福寺ならびに日本経済新聞社は、中金堂再建を記念した本事業を「興福寺プロジェクト」と名付け、仏教に造詣が深い日本画家の畠中光享(はたなかこうきょう)画伯に祖師画の制作を依頼、平成の法相柱再興に取り組んできました。


このほど法相柱柱絵の完成を記念し、お披露目の展覧会を開催する運びとなりました。

本展覧会では奉納に先立ち、すべての祖師画を初公開し、あわせて興福寺の寺宝、加えて畠中画伯の代表作・新作も展観します。

祖師画は高さ約10メートルにもおよぶ法相柱に貼り上げられたのちは、間近で鑑賞することは難しくなるため、本展は大変貴重な機会となります。



東京展

2017年
1月11日(水)~1月23日(月)

日本橋髙島屋

東京都中央区日本橋2-4-1



富山展

2月10日(金)〜3月20日(月・祝)

富山県水墨美術館

富山市五福777番地



茨城展

4月8日(土)〜5月14日(日)

茨城県天心記念五浦美術館

茨城県北茨城市大津町椿2083



神奈川展

5月19日(金)〜5月29日(月)

横浜髙島屋

横浜市西区南幸1-6-31



奈良展

6月13日(火)~7月2日(日)

興福寺会館

奈良県奈良市登大路町48



大阪展

8月23日(水)〜9月4日(月)

大阪髙島屋

大阪市中央区難波5-1-5



新潟展

9月9日(土)〜10月15日(日)

新潟市新津美術館

新潟県新潟市秋葉区蒲ヶ沢109‐1



山形展

11月18日(土)〜12月24日(日)

酒田市美術館

山形県酒田市飯森山3-17-95





薬師如来坐像(重文)



無著菩薩


デパートでは指定文化財は展示されないので、薬師如来様はお見えにならず、ちょっと物足りなさがあるかも知れません。


でも実際に奉納される前の祖師画を拝観するという貴重な機会だと思います。


なお東京展では、観覧済み鑑賞券を根津美術館で提示すると「再会-興福寺の梵天・帝釈天-」展の観覧料金が100円引きになるそうです。


「再会-興福寺の梵天・帝釈天-」


両方の展覧会に行かれるなら、高島屋を先に行かれると良いでしょう。