こんな記事を見つけました。
延暦寺本堂、60年ぶり改修へ 10年かけ屋根や柱など
天台宗の総本山で世界遺産に登録されている比叡山延暦寺(大津市)で、本堂の国宝・根本中堂(こんぽんちゅうどう)が約60年ぶりに改修される。約10年かける大事業で、修理中も本堂を公開する予定だ。2年後の着工を目指して準備している。
延暦寺は標高848メートルの山頂近くにあり「論湿寒貧(ろんしつかんぴん)」と言われる。「論」は経典の意味を論じることで、「湿」はくぼ地にあり湿気が高いことを意味する。
改修される根本中堂は幅約38メートルで、高さと奥行きがそれぞれ約24メートル。湿気対策のため土台に高さ50センチまで石を積み、回廊の柱は植物性油に松ヤニを混ぜて塗装する「チャン塗り」と呼ばれる手法でできている。今回の修理は本堂と回廊の屋根の葺(ふ)き替えと、朱色が剝落(はくらく)した柱や天井の塗り直しが中心となる。
徳川家光が1642年に再建して以降、根本中堂の大規模な修理は7回目。5回目の1890(明治23)年は約90年ぶりの大修理だった。前回の「昭和の大修理」は、4年かけて1955年に完成。この時は1706(宝永3)年に修理した際の古文書に従って漆などが塗り替えられ、腐食した柱に部材を継ぎ足す「根継ぎ」や屋根の銅板の葺き替えが行われた。
今回の修理にあたり、滋賀県教育委員会は今年度、修理調査費41万円を予算計上。修理費は国、県、大津市、延暦寺が負担。15年度までに修理方針や工期を具体的に決め、16年度の着工を目指す。
根本中堂には本尊の秘仏「薬師如来像」が安置され、創建以来1200年間ともり続ける「不滅の法灯」がある。修理の公開については、本尊がある建物の上を人が歩くことに難色を示す意見もあり、延暦寺は法灯や如来像をほかへ移したり、別の拝観ルートを設けたりすることも検討するという。
延暦寺を訪れる参拝客は年間約60万人。同寺管理部の礒村良定さん(36)は「職人技を間近に見られる貴重な機会。根本中堂がどのように守られてきたのか、多くの人に見てほしい」と話す。文化庁文化財部の担当者は「大修理は技術を継承する大切な機会でもある。寺や滋賀県教委と十分に話し合いたい」としている。
文化財の大規模な修理の公開例としては、姫路市が2011年3月~今年1月、姫路城(兵庫県)の大天守の修理でエレベーターと高さ約40メートルの見学スペースを設けた。日光山輪王寺の本堂「三仏堂」(栃木県)では11年から約10年間、地上26メートルに展望見学通路を設置。19年まで修理が続く浄土宗総本山、知恩院(京都市東山区)の本堂「御影堂」では毎月第1日曜日、申し込んだ人を対象に公開中だ。
〈根本中堂〉 天台宗の開祖最澄が788年に創建し、自ら刻んだ薬師如来像を安置。1571年に織田信長の焼き打ちで焼失した。徳川家光が8年かけて1642年に現在の姿に再建。創建以来1200年ともり続ける「不滅の法灯」は、焼き打ち前に分灯されていた火が移され、僧侶が毎日油を足すなどしてともり続ける。
油断大敵という言葉は比叡山の不滅の法灯からきているそうです。
これを機に薬師如来様が間近で拝観できるかも知れません。
またこのような大事業を行うにあたって比叡山関係の展覧会など開催するような気がします。