さて、甲府から身延線に乗り換えました。
発車時刻になっても一向に動く気配はありません。
そのうちに小淵沢方面からの上り電車が遅れているために接続してからの発車となるとの車内アナウンスがありました。
10分近く遅れて降り続く雪の中を発車しました。
身延線は単線なので駅で反対方面との待ち合わせがあります。
その指示の無線がひっきりなしに聞こえてきます。
この電車がだんだんと遅れていくことが予想されます。
身延線は最初は都市部を走りますが、だんだんと寂しい山の中を走っていきます。
ボールちゃんも不安気に降り続く雪を見ています。
途中で急にブレーキがかかりました。
ワンマン運転の運転手さんから「前方で木が倒れかかっています。安全確認のため停車します。」とのアナウンスがありました。
運転手さんは電車を降りて確認をしに行ったのか、行って枝を折ったのか、枝に付いている雪を振り払ったのかわかりませんが10分くらいしてから運転を再開しました。
大木でしたら何時間も足止めになるところでしたから安心しました。
こんな状況でも目的地である身延駅には3分遅れくらいでの到着となりました。
身延駅では朝方は雪が降ったようですが、雨になっていました。
震えながら身延山行きのバスを待ちました。
始発なのですが、近くに車庫があるのか、時刻表通りにやってきました。
こんな日に身延山までバスで行く人間は私しかいません。
バスの終点まで乗客は私一人でした。
終点では乗合タクシーが接続しています。
こんな日は利用しない手はありません。
久遠寺本堂の脇まで200円で連れて行ってくれます。
もちろん私しか乗客はいません。
初乗りの3分の1の料金で申し訳ないです。
まずは五重塔が目に飛び込んできました。
各お堂で参拝して寺務所に行きました。
修行僧と思われる方の気持ちの良い応対で御首題を依頼してから中のお堂を巡りました。
各お堂が迷路のように繋がっていました。
カフカの城のような世界です。
外は雪でなく雨でしたが、それでも中は寒々としています。
日蓮上人はもう少し暖かいところにお寺を作って欲しかったです。
信者さんの団参の部屋が広々としていました。
さすが大本山です。
ちなみに仏教の主要宗派の大本山はこれで全て参拝したことになります。
ずっと永平寺と久遠寺だけが残っていて、一昨年に永平寺に行ってからずっと心の中にもやもやしたものがあったのですが、これで解消されました。
文章と近代の作品が多い宝物館を出て寺務所まで戻り、御首題帳を戴きました。
南無妙法蓮華経の字が凄いです。
帰りはズルしないで歩いてバス停まで行こうと思いました。
石段まで行ってあまりにも急なことがわかり、また雨でしたので滑って大怪我をしたら困るので、また乗合タクシーで帰ることにしました。
本当はロ-プウェイを使ってさらに上まで行こうとか、近くの日蓮上人ゆかりの地などを訪ねようと思っていたのですが、大雨でしたので断念しました。
次回の課題にとっておきます。