さて、富士山の周りを遠回りして着いた静岡ですが、本来の目的である現在、静岡市美術館で開催中の近江巡礼~祈りの至宝展~に行ってきました。
この美術館は駅と地下で繋がっていて、B1~2Fまでが書店、その上の3Fにあります。
雨の割には人がいました。
立地条件の良さがあるかも知れません。
会場に入るとぱっと空間が多いと思いました。
仏像は半分以上が360度の角度から拝観できます。
近江の文化財関係の展覧会でいつも出てくる神照寺の透彫華籠(けご)が今回も来ています。
(長浜市HPより)
国宝で16枚もあるので、出品しやすいのかと思います。
マニアは一目見ただけで何番とわかるかも知れません。
「今回は5番と11番が来たな」なんて話している人がいたら要注意です。
印象に残る仏像は荘厳寺の聖観音像です。
(展覧会HPより)
上半身しかなく、腕が後補であるため当初の姿は不明ですが山越観音像と伝えられています。
私は若しかしたら当初から下半身は無くて、山のような彫刻の後ろに阿弥陀如来様と一緒にお祀りされていたのではないかと想像しました。
ほぞ穴に入れるような感じに作られているように見えてしまうのです。
こんな感じです。
これでは立体仏像としてはあまりにも装飾的でおかしいとは思いますが・・・
その他には飛鳥時代の誕生釈迦仏様(大光寺)、ちょっと衣文が角ばった感じの聖観音様(観音寺)、木目が美しく、顔に愛嬌がある薬師如来様(大日寺)、白鳳時代の良さが出ているポスターになった薬師如来様(聖衆来迎寺)などが印象に残りました。
また古神宝類では御上神社の相撲人形、神場・口取添像が珍しいと思いました。
(図録より)
図録を見ると展示替えで後期にいらっしゃる帝釈天像(正法寺)も平安木彫の良さが出ている像でした。
お会いしたかったです。
また平成25年7月~仙台、平成26年3月~出雲と巡回される予定なので、静岡に来なかった仏像も図録に載っていました。
六波羅蜜寺像をお手本にした空也上人像(荘厳寺)です。
口から何も出ていないのが残念です。
絵画も多く、その分少なかった立体仏像ファンには静岡まで新幹線で行ってこの展覧会だけ見に行くにはちょっとしんどいかな?と思いました。
でも同時に静岡県内の他の地域を回るきっかけとして行くには充分な内容だと思いました。