国内で唯一、奈良~平安時代の東西塔が創建当初のままそろって現存する当麻寺(たいまでら)(奈良県葛城市)で、両塔(国宝)の内部が、平城遷都1300年を記念して初めて一般公開されるのに先立ち、19日、特別法要が営まれ、参列者向けに開扉された。一般公開は20日から6月20日まで。
東塔は奈良時代後期、西塔は平安時代前期の建立とされる。ともに三重塔ながら、やや細身の東塔に対し、西塔は横幅があり、デザインは異なる。1180(治承4)年の平氏による南都焼討や明治時代の廃仏(はいぶつ)毀釈(きしゃく)を逃れ、修復を重ねて残ってきた。
両塔内にはこれまで、清掃などで寺関係者が入るほかは一般に公開されたことはなかったという。1300年祭を主催する記念事業協会の打診を受けて公開に踏み切った。
公開では、両塔の扉を開き、内部に安置された仏像や塔の心柱などを外からうかがうことができる