MOA美術館の次には西へ向かって函南町にある「かんなみ仏の里美術館」に行きました。
近くに桑原薬師堂というお堂の中で地域の方々に守られてきた仏像を管理・展示するために作られた美術館です。
今年(2012年)4月14日に開館したばかりの新しい美術館です。
この美術館建設の話を耳にして、お堂で拝観できるチャンスがなくなると思い出かけました。
(以前の桑原薬師堂)
[沿革]
函南町桑原区では、平安時代の「薬師如来像」や鎌倉時代の「阿弥陀三尊像」など、二十四体の仏像群が、里人の厚い信仰心によって守られてきました。
これら仏像群の散逸を防ぎ、後世に保存継承していくための施設として、明治30年代後半に桑原の有志により、長源寺の裏山中腹に「桑原薬師堂」が建てられました。
2008年(平成20年3月)に桑原薬師堂の二十四体の仏像群が、桑原区から函南町に寄付されました。
寄付された仏像群には、国指定重要文化財の阿弥陀如来及両脇侍像(略称・阿弥陀三尊像)の他に、静岡県指定有形文化財(薬師如来坐像、毘沙門天立像、聖観音立像、地蔵菩薩立像、十二神将立像)があり、その中にも全国的に貴重な文化財が含まれています。
町民の財産である貴重な文化財を、後世に保存継承するとともに、多くの方々が鑑賞し、学ぶことができる施設として「かんなみ仏の里美術館」が設置されました。
里人の心に守られてきた仏像群が、皆さまのご来場をお待ちしています。
近江や小浜と同じように地域住民によって守られてきた仏様です。
明るい館内に入りました。
まずは資料室を案内されます。
展示室では一切の解説文がなく、仏様に集中してもらうために予習してくださいとのことです。
仏像の種類など基本的なことがパネルになっていました。
団体さんがいたので、基本的なことは省略して、展示されている仏像の解説をさらっと読んで、団体さんが向かう前に展示室に行きました。
柔らかい照明の展示室の中にたくさんの仏様がいらっしゃいます。
入って真正面に阿弥陀三尊様がいらっしゃいます。
慶派仏師の実慶作です。
慶派らしい作品です。
このような像が地域の人々の管理で守られてきたのは驚きです。
防犯・防火・過疎化・高齢化などでお堂での管理に限界があったのかも知れません。
以前は土・日・祝日くらいしか拝観できなかったのですが、火曜日以外はいつでも拝観できます。
こちらは平安時代の薬師如来様です。
360度どの方向からも拝観でき、重厚さを感じられると思います。
十二神将も揃っているのですが、何体かは修理に出されています。
ところで弘法大師像があったのですが、お大師様が見たら「えっ、これ自分?」と言われそうな感じの像です。
画像がないので、実際に美術館に足を運んで確認してください。
仏像好きな方なら、必ず訪ねていただきたい美術館です。
函南駅からは緩やかな坂を上って15分くらいで着きます。
入館料も破格の安さで300円です。
案内の方もとても親切です。
強いて言えばミュージアム・グッズが少ないのが改善点だと思います。
絵葉書や図録を充実して欲しいです。
クリア・ファイルは充実していましたが、個人的にはあまり好きではありません。
幾つかグッズを手にしましたが結局何も買わずに帰りました。