三重県菰野町にParamita Museum(パラミタ・ミュージアム)という美術館があります。
四日市の北西です。
ここで、現在「南都大安寺と観音さま」展が開催中です。
以下、開催の趣旨
当館は、平成24年に開館10周年を迎えることとなりその記念展覧会として地域ゆかりの奈良のお寺大安寺( だいあんじ) と観音さまの展覧会を開催いたします。
北勢地方には、いなべ市大安町という町があります。この町名は昭和34年に南都大安寺の食封が「員弁郡宿野原 (いなべぐんすくのはら)」にあったことにちなんで名づけられたのでした。
大安寺は聖徳太子の建立した熊凝精舎(くまごりしょうじゃ)がその濫觴(らんしょう)と伝え、国家的な規模で 建てられた最初の大寺である百済大寺(くだらのたいじ)、天武天皇の高市大寺(たけちのたいじ)、大官大寺(たい かんたいじ)を経て奈良時代には大安寺として平城京に建立されました。天武天皇と聖武天皇の時代には、寺領として北勢地方の所領が寄進され、この地域と大安寺は強い絆で結ばれることになりました。
この展覧会では、大安寺の名宝観音菩薩と当館の名称「パラミタ」の由来となった『般若心経』の経主(きょうしゅ) である観音菩薩にちなんで、大安寺の至宝と観音さまの名作を展示させていただきたく考えております。
おそらく、観音菩薩ほど私たちに身近な仏さまは居られないでしょう。じつは、世界中を見渡しても、日本ほど 観音菩薩が沢山制作された国はありません。なぜ、わが国にだけこれだけ観音信仰が盛行したのでしょうか。
本展では、地元ゆかりの大安寺の名宝と歴史、そしてわたしたちにとって、もっとも身近な仏さまである観音菩薩の名作約50点(内、重要文化財13点)を展示し、その中に日本の心の原点を探ってみたいと思います。
というわけで熱田神宮のあとに行ってきました。
四日市ICで大渋滞だったので桑名ICで高速道路を降りてから行きました。
イオン・グループで運営しているようです。
駅からは近いのですが、その駅にたどり着くまでに名古屋から1時間半くらいかかります。
池田満寿夫さんの展示が多いのですが、ここは時間がないので省略させていただいて、さっそく大安寺展の会場に行きました。
正面のメーンステージにに大安寺の馬頭観音様と不空絹索観音様がいらっしゃいます。
それはショートケーキのいちごのように最後にして手前に整然と並べられている小像を拝観していきました。
三重をはじめ、愛知、静岡、和歌山などから仏様が集合しています。
その中で三重県津市瀬古区有の十一面観音様が気に入りました。
何かエネルギッシュな感じがします。
またMIHO MUSEUM所有の十一面神像などは当に神仏習合を表しており興味深い像です。
今回の大安寺の諸仏以外での一番の目玉は奈良・置恩寺の十一面観音様でしょう。
なかなか拝観できないお寺です。
彫りが浅く古い様式ですが、奈良のいい仏様をよく表していると思います。
珍しいものとしては三重・観音寺の如意輪観音像です。
四本足の鳥の上に乗っています。
このような如意輪様は見た事がありません。
平安時代作のようです。
一番のインパクトは何といってもこの方です。
蛇を咥えて「冗談じゃないよ」と言っています。
静かな観音様ばかりいる中で一際異彩を放っていました。
ちょっと浮きすぎています。
最後に正面の大安寺の諸像に向かいました。
不空絹索観音様です。
なぜ、奈良時代には流行したのにそれ以降になるとあまり流行らなかったのか不思議な観音様です。
今回の展覧会では8/30~9/19までの展示です。
馬頭観音様です。
毎年3月1日~31日しかお目にかかれない像です。
お寺では馬頭観音様なのですが、文化財指定名称では千手観音様ということを今回初めて知りました。
とても不思議な像です。
楊柳観音様です。
私が行ったときにはいらっしゃいませんでした。
展示替えで不空絹索観音様のあと、9/20~10/10にいらっしゃいます。
誰も賛同してくれませんがナンチャンに似ていると私は思うのですが・・・
それにしても大安寺には一筋縄でいかない像が多い気がします。
南都七大寺の中で一番革新的な仏様がいらっしゃる気がします。
現在、仏像界では滋賀ブームが起きつつあります。
滋賀の次には三重ブームが来るのではないかと期待させる展覧会でした。
南都大安寺と観音さま展
日時:2012(平成24年)8月30日(木)~10月10日(水)
会期中 無休 午前9時30分~午後5時30分
場所:岡田文化財団 パラミタミュージアム
三重県三重郡菰野町大羽根園松ヶ枝町21-6
Tel 059-391-1088