
本日のpatchは、2010年のキャピタル・マーチング大会のpatch。
テキサス州議事堂(キャピタル)をモチーフが、赤白青のテキサス州旗のカラーに塗り分けられ、州旗では星が入るところが音符に替えられているというデザイン。
素人な私には解らないのだが、同じ曲を演奏していても、テキサスのサクソフォン奏者は他とは少し違う「テキサス色」な演奏になるのだと息子が言う。
そしてその根源となり、多くのサックス奏者を育ててきたのが、テキサス大学のサクソフォン教授ハーヴェイ・ピテル氏。
昨年70歳を向かえ、今年度を最後にテキサス大学での教授職を去られる。
今日は、その引退記念コンサート。

会場には、幅の広い年齢層の観客が集まり、33年ここで教鞭をとられてきたという歴史が感じられる。
ホールは、立ち見が出るほど満員となった。
コンサートは「SONG FOR MOM」とされ、ハーヴェイが幼い頃にお母様が家事をしながら鼻歌で唄っていた曲などが選曲された「母に捧げる引退コンサート」
そしてハーヴェイの息子さんデヴィッド・ピテル氏がトランペットを担当されるステージ。
前半はクラシック曲、後半はジャズ曲の2部構成で、ソプラニーノ、ソプラノ、アルト・・とサックスを持ち替えながらの演奏。

引退されるのがもったいない、やはり素晴らしい巨匠の演奏。
ハリウッドでプロとして活躍される息子さんのトランペットとの息が、これまたさすがにピッタリと合っていて、トランペットとサクソフォンが完璧に同調。
演奏後、スタンディングオベーションが続き、ステージに現れたハーヴェイたちは首にレイをかけて拍手に応え、姿を消していく。
あの「レイ」は・・・もしかして、引退してハワイでゆっくりしてきま~す、という演出?

親子で、母そして祖母がかつて口ずさんだ日常の音楽を演奏し捧げる。
単に引退コンサートというだけでなく、そのコンセプトが粋だなと思う。
多くのサクソフォン奏者を育ててこられたハーヴェイ。
そのハーヴェイを育てたのはお母様。
そのお母様が祖母として、そしてハーヴェイが父として育てた、トランペットのデヴィッド。
時が流れていく中で、家族として、演奏家として、持っているモノを伝え宅して行く。
そういう「愛」を感じる、暖かいコンサートだった。

ちなみに、コンサートでピアノを担当されていたのは、私が現在受講中のオンライン・ジャズ講座の先生。
太かったり、細かったり、様々な伝授の糸は、世界中で繋がっていく。