今週はコンテストに参加するのでなく、コンテストを開催するホスト側。
バンド父母会が中心となって運営を行う。
バンドの生徒も父母も、ボランティア。
様々なボランティア仕事がある中で、今年も私はグッズセールのシフトを担当。
コンテスト参加でない息子たちはエキシビションとしてマーチングショーを行うので、その時間にちょうど上がれるシフトを選んだ。

天気予報では夜に夕立が来るかもとされていたが、そんな気配などない晴れで真夏並みの暑い日中。

グッズ売り場で、雨用の使い捨てポンチョも並べていて「こういうのを用意すると雨が降らないものよね」などと場違いなポンチョを冗談の種にする客もいたけれど、実は需要がなくはなかった。
そう遠くない場所で行われている大きな野外音楽フェスで、会場で用意されたポンチョが売り切れ。アウトドア・スポーツ店でも売り切れ。と言うわけで、野外フェスからわざわざウチのマーチングコンテストまでポンチョを買いに来たという人がいたりしたのだ。
天候にも恵まれ、自分の担当シフトも終え、スタンドに陣取り、息子たちのエキシビションを鑑賞。
ショーを行う前に、普段は目にしないウォームアップ風景が展開される。

普段のショーだと、シャコと呼ばれるユニフォームの帽子をかぶるので顔が見えず、どれが誰だか、自分の子供さえどこにいるのだかさっぱりわからなくなる。

帽子をかぶっていないウォームアップでは、いつもと違って顔が見えて新鮮。

エキシビションは普通、予選ラウンドと決勝ラウンドの合間に行われる。
ちょうど休憩時間的に、あまり人がスタンドにいなくなる事が多いのだが、今日はほぼ満席かと思うくらいの観客。

あたたかい拍手を受け、エキシビション・ショーも無事終了。
ここですでに息子も私もシフトを終えていたので、解散OKだったのだけれど、私は売店の助っ人に残ることにした。
昨年、グッズ売り場担当のはずが、人数が足りないというので売店担当に急遽変更となり、最後のクロージング時に、売店チームキャプテンがほぼ一人で片付けしているのを見て一緒に最後まで残ったのだが、多分、今年も彼女が一人になるのではないかと思ったからだ。
そういう訳で、エキシビション後の決勝ラウンド開始から、パフォーマンスを終えた参加生徒たちが陣取るスタジアムビジター側の売店担当に入った。

予選同様、順調に各校の演目が行われて行く。
・・・と思いきや、最後から2番目の学校のパフォーマンス中に、突然に土砂降り。
スタンド席に陣取っていた生徒たちが、あわててスタンド下(売店はそこにある)に雨を逃れて駆け込んでくる。
あわてて避難してきても、すでにずぶぬれになっているほどの豪雨。
その豪雨の中でも、パフォーマンス中だったB校は、最後までショーを続け、終わった瞬間、大きな拍手。
そのまましばらくコンテストは中断。
止みそうにない大雨の中、スタンド下を埋めた生徒たちは、バンドの定番曲(なぜかどの学校もコレをアメフト応援で演奏する)「ヘイ!ベイビー」をみんなで大合唱。
そして突然始まったのが、コレ。
スタンド下でも完ぺきに屋根があるわけではなく雨に濡れるし、中断したコンテストはいつ再開されるのかも解らないし、イライラしがちな状況の中、こんなパフォーマンスを展開する若いエネルギーが嬉しくなる。

結局、そのまま豪雨は止まず雷まで始まり、最後の1校はパフォーマンスしないまま、コンテストは終了。
雨の中ショーを続けた、予選2位のB校が、優勝。
さて、売店の仕事はココからが大変だった。
残った商品を片付け、掃除し、戸締りをして撤退・・・と言えばシンプルそうだけれど、ビジター側は離れているので、残った商品等をバンド室まで運ぶにもカートで運搬になる。
掃除をしつつ待てども、一向に運搬隊が来ない。
気がつくとやっぱり、最後はキャプテンと私とAさんという、女性3人だけが売店に残っている状況。
雨は更に激しさを増している。

ようやく現れた男性父母ボランティアの一人が「ゲートにすでに鍵がかかっていてゴルフカールが入れない」と、手押し車で少しづつ運搬するしかないという。彼はすでに頭から足の先までずぶぬれだ。
そんなことやってられないよ~としばし対策を話し合う中、バンドの先生がなぜかゴルフカートで登場。
結局、カートで運べるだけ運んだあとの残りは売店にとりあえず置かせてもらおうという事で、ようやくシャッターを下ろし鍵を閉めて、終了。
が、この売店から駐車場までは距離がある。
豪雨の中歩くしかない。
3人でカバンをゴミ袋で包み、ゴミ袋の底に穴を開けてそこから首を出す「即席雨ガッパ」を作ってかぶる。
気分は戦場へ繰り出す兵士。
チームキャプテンはスタジアムの駐車場を使えたので、車が一番近いということで「じゃ、私がまず車を出来るだけ近くまで運転してくるから、2人を乗せて駐車場まで送っていくわ」と、雨の中を駆け出していく。
車で戻ってきたキャプテンがスタジアム横まで車を付けられると思ったのに、途中のゲートが既に閉まっている。
とうわけで、私とAさんは豪雨のなかそのゲートまで走り、濡れながらキャプテンの車に飛び込む。
とにかくものすごい豪雨。
とここでキャプテン、突然笑い出す。
「ね、なんか笑えない?皆ゴミ袋かぶっててさ~」
で、始まった大笑いしながら携帯でゴミ袋戦隊の記念撮影。(私は携帯も濡れないようにカバンに入れてゴミ袋で厳重にくるんでいたので取り出せず、写真取れなかった。残念)
極限が過ぎると笑えるという状態、でしょうか。
やれやれこれで後は運転して帰るだけ、と思ったら・・・
キャプテンの車でたどり着いた、私とAさんの車が停まる駐車場のゲートが閉まっていた。
どうするよ~
そのゲート、昨年使った際に、出口は車が近づくとセンサーでゲートが開いたので、とりあえず、私の車はゲート近くに駐車してあったので、私が入り口ゲートを乗り越えて駐車場に入り、車を動かし、出口のセンサーが作動するか試すことにした。
走ってたどり着いた私の車。
運転席ドアの下は、足首くらいまで水がたまって流れているありさま。
車を動かし出口にたどり着くと、ゲートは開かない。
が、何度か近づいたり離れたりするうちに、ゲートが開いた。
と同時に入り口のゲートも開いた。
やった~、と、私は出口を出て、入っていったキャプテンの車が出てくるのを待った。(私の荷物はまだそっちに残してあった)
キャプテンの車が出口に向かってきて・・・あれ?開かない?
私の時には開いたゲートが、ウンともスンとも作動しない。
ゲートをはさんで「なんで貴方の時はあいたのよ~」「誰か鍵持ってる人校内に残ってないかな」「どうするよ~」と車外に出て策を話ていた私は、完全にずぶぬれ。
5分くらいそのような状況が続いたあと、なぜか突然センサーが作動しゲートオープン。
こうしてようやくゴミ袋戦隊の私たち3人は、それぞれの車で家に向かうことができた。
そのときすでに、夜中の午前0時。
あ~大変だった。
大変だったけど、終わってしまえば、なんか楽しかった。
息子の高校は4年間。こんなバンドコンテストのボランティアも4回だけ。
散々な状況も、いつか楽しかった思い出の一つになっていくはずだ。
それにしても、その4年間のうち3年目が終わったわけだけど、その3年、3回とも雨だったぞ。