
先月、息子が受けた高校生地区ジャズバンドのオーディション。
今日は、そのオーディションでメンバー入りを果たしたバンドのコンサート。
バンドは第1と第2の2つがあり、それぞれの指揮者となる方からのクリニックを受ける。
息子が所属する第1バンドの方は、テキサス大学の教授。
昨日のクリニックでソロ分配が決まり、当然のごとく各楽器の第1チェアがソロを担当する中、第2チェアの息子も一箇所ソロがもらえることになり(全員がソロをもらえるわけではない)、本人は平静を装おうとしているようだけれど、嬉しいのは隠せないでいる。
明日からサンクスギビングの祝日に入るという気分的にもゆったりな夜、息子を会場に送り私も客席へ。
まずは第2バンドの演奏。
演奏を楽しみながら気になる事が。
アルトサックスの席は真ん中で、指揮者がその前に立つ。
私が座っていた席からは、第1チェアが完全に指揮者の影。
第2バンド終了後に、会場内を移動してみたが「ここだ」と言う良く見えそうなスポットがない。
ほんと、こういうコンサート、いつも位置取りに悩む。
「ここだ」と思っても、楽譜スタンドの影になって顔が見えなかったり。
いよいよ第1バンドの登場。
よかった。息子も見える位置確保。

演奏が始まって思った。
親バカも入っているのだろうけれど、第2と第1でレベルの違い。
この地区の第1バンド、オールテキサス州に選出されるトランペット5人のうち3人がこの地区から、オールテキサスは惜しくも逃したものの3位のギター、4位のテナーサックス、4位のアルトサックス(オールテキサスにはギターは1人、アルトとテナーサックスはそれぞれ2人しか選出されない)・・私が知るだけでもそれだけ州内トップの高校生が含まれており、地区オールスターとはいっても、かなり州オールスターに近いレベルと言っても良いかも知れないのだ。
(オープニング曲)
息子のソロが含まれるのは、最後の曲。
「待ってました」な期待と「失敗しないと良いけど」な不安の親心。
アップテンポなブルースナンバーが始まり、即興演奏のソロがバトンタッチされて行き、息子の番。
先輩たちがこなしていくソロのあと、差が歴然かと思いきや、あら、意外と良いじゃない?
家で練習している時にこういうタイプの即興しているのを聴いたことがなかったので、ちょっと驚きつつ(実際、得意ではないタイプの曲でソロだと言っていた)、悪くないんじゃない?と安堵。
がしかし、ソロを終えて座った息子に、指揮者が指示を出している。
何が起こっているのか良くわからないが、息子、再度立ってソロ続行。
これは・・・
いったい・・・
考え付く状況は2つ。
息子が担当するソロ小節を間違えて早く終えてしまった。
もしくは、打ち合わせした息子が担当するソロは終わったけれど、思ったより良かったので指揮者がもっと続ける指示を急遽出した。
見た目、私的にはそうネガティブな空気にも感じられなかったのだけれど、真相はいかに・・・。
コンサート後息子に尋ねてみると、こういう事だった。
第1チェアのソロはここからここまでと長さが決められていたのだけれど、息子のソロはきっちり決まっておらず、指揮者が次のソロ(トランペット)へのキューを出したら終わりという事になっていた。
そのキューが出たので座ったら、それはトランペットがオーバーラップで入ってくる指示であってソロがトランペットに移る指示ではなかった。
で、「君のソロ、続けて!」と指揮者から立て立て指示が出たのだ。
あ、勘違いな君のミスなのね。
でも、もう過ぎてしまったことだし、ここは良い解釈しておこう。
長さが決まっていなかった息子のソロ、指示を読み違えて早めに終えられちゃったら、指揮者としては「あ、いいや、じゃ次行っちゃおう」という選択も出来たはず。何しろ即興ソロ演奏で繋いでいくジャズ、クラシック音楽の演奏とは異なりフレキシブル。
わざわざ「立って!」と指示を出したのは、もしかしたら教授も息子のソロをそう悪くないと思って続けさせたかったのかも。
(実際、第2チェアでありながらソロをもらえたのは、教授が息子の演奏スタイルを気に入ってくれたかららしいし、ソロを終えた直後の息子に教授は「良かったよ」と囁いたのだそうだ。)
事実は「ただ予定通りに進めたかっただけ」だとしても、褒められ(煽てられ)ると進むタイプの息子、とりあえず我が家では良い解釈でシャンシャンとしておこう。
本人もソロがもらえたこと、その演奏もまんざらでなかったこと、周囲の反応も良かったことなどで「今日は良い日だった」とまたちょっぴり自信を付けて微笑んでいるのだから。
テキサス大学の教授、もしかしたら彼も「褒めて育てる」タイプなのかも??
本日のピンズは「本日のTシャツ」に戻って、この、地区オースルタージャズバンドのTシャツ。