
ボーイスカウトの「メリット・バッジ 」というのは、スカウトが興味のある分野の基本知識を学ぶもの。
それぞれの分野で課題が決まっていて、それらを学び、隊の「カウンセラー」と呼ばれる担当者に課題を学んだことを確認して貰い、認証されるとバッジ習得となる。
各隊の「カウンセラー」は、スカウトの親や地域の、それぞれの分野の知識を持った者がボランティアで担当する。
「知識を持った」というのは、その分野のプロはもちろん、趣味で知識を持っている者でもあったりする。
息子の隊は、スカウトの数は少なめのこじんまりした隊。
それでも、その親達の中には各分野で活躍する人が少なくなくて、ミーティングで会う親達が「へ~、こんなすごい人なんだ!」と驚いたりする。
その「メリット・バッジ」の一つ、「彫刻 」のテキサス大学でのクラスを2月に受講した 息子。
受講したあと、カバーされなかった課題も家で作成。

プラスターで型を作成し、野菜か果物の型を作成するというもの。
アスパラガスに挑戦したが、これ、意外に難しかった。
課題をクリアしたので、カウンセラーにアポイントを取り、OKを貰わなければならない。
息子の隊の「彫刻」カウンセラーは、プロの彫刻アーティストだというのは知っていた。
アポイントを取ろうとしたら、隊のリーダーAさん(建築家)が「彼女のスタジオ(兼住居)は私がデザインして賞にも選ばれてるの。一緒に行って見せてあげるわ。」と。
そういうわけで、アーティストRさんの工房に出かける。

(Rさん、日本でも雑誌に採り上げられていたりする。)
これが・・・すごかった!
Aさんがでデザインしたという、エコ・デザインの家自体もアーティスティックですばらしい上、Rさんが自分の作品である彫刻やタイルや・・・などを埋め込んだりして家自体がアート。
それもアートを取り組んだ家作りは終わりが無いようで、現在は庭のプールや野外シャワーを、自分でデザインして作った魚や貝の彫刻やタイルを使いながら建設中。
さらには、風力発電用の風車が設置され、雨水を溜めてガーデニング用に使えるような大きなタンクも設置されている。
タンクといっても、これまたアートにデコレーションされ、雨どいから流れてくる雨水を、水がめを持った女性を模った彫刻が水を受け止めているというデザインになっている。
住居部分もスタジオも、Rさんの情熱が隙間なく漂うようなすばらしい空間。
(普段は一般にオープンでないスタジオで、敷地はゲートで閉められているので、公開されていないと判断して写真は遠慮しておいた。)
Aさんにスタジオと家をツアーさせて貰って圧倒されている間に、息子はRさんに課題を見てもらっていたが、さすがにプロの基準は厳しいという事か、「課題をこなしただけではダメ!情熱が無いと承認できない。」と言われ、もう一つ作品を作って出直して来る事に。
(正直なところ「スカウトのメリット・バッジに高度なものを求めるなよ~」と思ったけどね。だって、他の隊で息子と同じクラスを取った子たちは「クラスに出た」だけですでにOKが出てバッジ獲得しているのだ。ウチの隊、厳しい~。)
息子がもう一度会う事になるので、「その機会にぜひ見せてもらって方が良い」と夫に見学を勧めた。
しかし、息子の作品完成を待つまでもなく、スタジオ見学の機会が訪れた。
Rさんが、作品 を展示即売するイベントがあるというのだ。
というわけで、この週末、夫と販売会に出かけた。
建築家のAさんもお手伝いにいらしていて、再度(というか夫のために)、住居部分を含めたスタジオ・ツアー。
販売会の「作品」は、アートものというより、日常に使えるお皿やカップなど。
ダイニング・テーブルのセンターピース的に使える大皿があるといいなと思ったので、直径50cmくらいの大皿から触手を動かしたのが、魚デザインの、これ。

ダイニング・ルームの壁をオレンジにしたので、オレンジ色も含まれていて色的にも合うのではないかと。
テーブルに置いても良いのだけど、遠めで眺めると更に良い感じで、アートとして壁にかけようかと思う。
(作品的にも「大皿orアート」とされていて、裏も壁に飾るために使えるように穴がついている。)
後は、四角い形がまず気に入って、たくさんあるデザインから悩んだ末に決めたのが、これ。

キッチンの壁が、デザインのペッパーの緑と近いので、思ったよりも良い感じ。
これはパンを盛り付けるためのプレートで、幅30cmほど。
そして、義両親のクリスマス・プレゼント用に買ったのは、大きく花が描かれたもの。
このブルーの花は「パッション・フラワー 」だそうで、本物の花もすごく綺麗なんだそう。

何でもお持ちの義両親へのクリスマス・プレゼントに毎回困るのだけど、知り合えたアーティストRさんの作品という事で、市販の物ではない意味のある一品なので、プレゼントに最適かと。
が、持ち帰ってキッチンに置いてみたら、思いがけずカウンタートップの緑にマッチして良い感じ。
「気に入ったならプレゼントはまた探すとして家用にしちゃってもいいじゃない。」と夫が言う。
う~ん、どうしよう・・・。
どのお皿も、「Rさんがあのスタジオで情熱を込めて作られたものだ。」と思うだけでもポジティブな「気」が漂う気がする。
「たかがお皿」ではないのよね。
そういう、我が家にあるお皿と言えば・・・
こちら、友人NWさん作のスクエア・プレート。

Rさんの「パッション・デザイン」も良いけど、一色で微妙な濃淡がまた違ったアートになっている1品で、大切に使わせてもらっている。
こちらは、姉作のカップ。Rさんの「パッション」とも、NWさんの「青の表情」とも違って、これは大地の重みが感じられて、落ち着く。「ZEN」でしょうか。

日本茶も良いけど、これでコーヒーというのも結構マッチする。
こうやって日常生活に取り込めるアートっていいなと思いながら、本日のピンズは、大英博物館 の「UDJAT-EYE 」ピン。
大英博物館の売店で販売されていた美術館グッズ。

これは、昔仕事でお世話になった、美術館グッズも扱う会社の社長さんからいただいたもの。
仕事でかかわっていたのは美術館グッズ関連ではなかったのだけど、当時アートには興味があり、美術館グッズにも興味をそそられ、個人的に、その会社で扱っている日本の美術館グッズの一つを取り寄せで購入させていただいたりした。
そういった話の中で、私がピンバッジを集めているということも言ったのかも知れない。
ある日「これ、貴重な物なのよ。あげる。」とこのピンをいただいた。
この社長さん(女性)、和服が仕事着だった。
普段は私の方から出向いて仕事だったので、私は周知だったのだけど、一度私の社長を訪ねて来られた際には、着物姿での訪問に、会社のみんなが驚いたりした。
今、どうされているだろう。