☆文字の歴史☆

・アルファベットのルーツ・

英語を公用語とする国だけではなく、アルファベットは今、世界でいたる所で使われている。それはホームページのURLやメールアドレスに採用されていることからも明らかだろう。アルファベットというと

AからZまでの26文字を思い浮かべるが、この数によって異なり、ドイツでは合計30字、フランスでは合計40字が日常的に使われている。アルファベットとは、A・B・Cといった文字だけではなく、1つの文字であらわすというシステムのことである。

           ドイツ語の発音はウムラウトがコツ! [ドイツ] All About
             「ドイツのアルファベット

フランス語第1回「アルファベットと発音」 | マルチリンガルへの道

            「フランスのアルファベット」

 

そのシステムは、どこでどのようにうまれたのだろうか。アメリカ・イエール大学中近東言語・文明学部教授ジョン・ダーネルは、エジプト南部における1993年~94年にかけての調査で世界最古と考えられるアルファベットを発見した。紀元前20世紀頃のものと思われる碑文は発見された谷の地名をとって「ワディ・エル・ホル碑文」と名付けられた。

            

      「世界最古のアルファベット/ワディ・エル・ホル」

ダーネル教授によるとこの地はかつて街道を警備するエジプト軍が駐留しており、その中にはエジプト出身ではない「アジア人」の兵士もいたことが、ヒエログリフのくずし字で書かれた別の碑文によって分かった。その「アジア人」はどんな文字を使っていたのか。エジプトの文化を理解していない「外国人」の彼らが、意味と音声を併用するヒエリグリフを使いこなすのは難しかった。そこで、ヒエリグリフなどから文字の形だけを借りて、自分達の言葉の「音」を表現する文字のシステムを開発した。それが「ワディ・エル・ホル碑文」に刻まれた最古のアルファベットだと考えられる。

彼らはヒエリグリフが使えなかったからこそ、アルファベットをつくることができた。そしてこの「意味ではなく音を表す」システムであったことがアルファベットが言語と文化の違いを越えて拡大した大きな理由だといえるだろう。

 

・漢字の「命」・

漢字は現在に残された、ただ一つの象形文字である。ヒエリグリフやメソポタミアの楔(くさび)形文字をはじめとした古代文字は、その文明の滅亡とともに滅ぶか、先に見た通り、アルファベットなどの表音文字に置き換えてきた。ではなぜ、漢字は誕生から数千年を経た今もなお、使い続けているだろう。

                      楔形文字(くさびがたもじ)とは - コトバンク

        「メソポタミアの楔(くさび)形文字」

白川静は「漢字は輪郭的な表面描写を避け、抽象による線構成を志向した」という。例えば「ヤマ」という対象を表現するのに「△」のように輪郭をなぞるのではなく、「山」のように線の構成を用いたというのだ。「デッサンにおいては、線は「人間的表徴でありおそらく判断の最も力強い表現である」とされているが、漢字ほど、「人間的表徴」として、その自己表現を求め続けてきた文字体系は、他にその例を見ない」。このことが、漢字を「書の芸術」たらしめたという。

                  京都市:京都市名誉市民 白川 静氏

                 「白川静」

文字を美しく、装飾的に記すことは、どの時代のどの文化でも行われていた。しかし、「書」の芸術性は審美的な価値にとどまるものではない。それは線が持つ運動の芸術性であり、書くということそのものの芸術性であろう。漢字は書くという行為によって「命」を吹き込まれた文字なのだ。そしてそれこそが漢字が今なお生き続けている大きな理由ではないだろうか。

日本では、古代中世を通じて、漢字のことを「真名(まな)」と呼び、それからつくられた音節(おんせつ)文字を「仮名(かな)」と呼んだ。大陸の文化への敬意に加え、漢字に込められた「命」への敬意が

「真」と言わしめたのかもしれない。パソコンやスマホの普及によって、私達が文字を書く機会はめっきり少なくなった。漢字を忘れてしまったと嘆く向きも多いだろう。「命」を未来へ繋ぐ為にも、この辺で一度、書くという行為を見直してみてはどうだろうか。

文字 - 世界の言語

それでは、またまたー(^^)/