☆ハーゲンベック式(無柵式展示)の誕生☆
近代動物園の発達における最初の重要なステップは、1907年のハンブルクの「ハーゲンベック動物園」の開園であった。
「ハーゲンベック動物園」
これは、「ハーゲンベック式(無柵式展示)」として知られる、最初の遮るもののない大パノラマ景観を持った動物舎を導入したものだった。ハーゲンベック式(無柵式展示)は、ハンブルクの動物商「カール・ハーゲンベック」が集めていた動物達を公開するのに、商品となる大切な動物達の為を思い考案された展示方法と言われている。

「カール・ハーゲンベック」
この展示法で動物と人を隔てるのは、ある程度の深さを持った堀です。目の前に大きな堀があり、その向こうにゾウやライオンたちがいるという、日本の動物園で見たことある風景だ。

「ハーゲンベック式(無柵式展示)」
☆「ケージ」から「テリトリー」へ☆
20世紀中盤、「スイス動物園」の園長のハイニ・ヘディガーは動物飼育において新たなコンセプトとなる「動物園生物学」という科学分野を創設した。これは、「ケージからテリトリーへ」という格言で代表される一般的に「生体展示」という展示法である。具体的に紹介すると、アフリカや東南アジアといった一定の地域の動植物をまとめて、できるだけ自然に近い方法で見せる手法で、1980年代からアメリカの動物園を皮切りに発展して今に至っている。この展示法では、動物たちの背景になる草木や岩まで本物あるいは本物同様に似せてつくられている。全米有数のサンディエゴ動物園の生体展示の森などは、そこに置かれている岩が作り物だとは到底思えないほどの疑似ぶりだ。

「ハイニ・ヘディガー」
☆その地域に旅した気分で、その地域が抱える問題とも向き合う☆
こういった念入りな生体展示は、動物達が単独で檻の中にいるよりずっと感情移入して楽しめるとともに、より多くのメッセージを盛り込むことができる点が注目されている。設定されたその地域に旅したつもりになり、そこにいる動植物を”環境そのもの”の中で見ることで、最後まで見終わった時には、その地域が抱える問題とも無関係でいられなくことを狙いとしている。
このような、ジャングルや森の再現といった大掛かりな施設ではなくても、地域ごとに動物園を展示することは、現在、各地で積極的に行われていて、日本では「到津の森公園」(福岡県)や「よこはま動物園(ズーラシア)」(神奈川県)などで見られる。

「到津の森公園」 「よこはま動物園(ズーラシア)」
☆「環境エンリッチメント」の試み☆
その一方で、動物園という限られた空間の中で、野生の環境を全て再現することは到底無理であり、そういった限界がある中で、動物のストレス軽減にも配慮した「環境エンリッチメント」という試みが、
日本を含む世界の動物園で行われてる。これは、動物本来の習性を可能にする工夫で、動物園という環境下でも動物が”幸せ”に生きることを目指したのだ。
それでは、またまたー(^^)/