パイロットはいくつかの温度を使い分けています。
【OAT(オーエーティ)】・・・Outside Air Temperature
一般的にいう外気温度です。
地上気温や上空での機外の温度を指します。
【TAT(タット)】・・・Total Air Tempreture
飛行機が飛行している際の機体表面の温度を指します。
飛行機の速度により圧縮された空気により外気温度より高い温度を指します。
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M0.3増加することで約2℃上昇し、1,000ft降下することで2℃上昇する
M0.84で飛行している時はSATに対して約28℃多い数字を示す。
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【SAT(サット)】・・・Static Air Tempreture
TATとは異なり、飛行中の圧縮された空気の影響を取り除いた温度で外気温を指します。
前回凍結防止装置について書きましたが、凍結の影響は機体の表面温度によって関わるので、地上ではOAT、上空ではTATの温度で装置の作動の判断をします。
また一般的にある一定以上の気温より低い温度の場合は凍結しないとされています。
その温度は外気温によるので、その温度としてはSATにて確認する必要があります。
また雷についても避雷しやすい温度帯があり、それは外気温の影響を受けます。こちらも同様にSATにて確認することができます。
寒い地域を飛行する場合、外気温度が−70℃近くになる場合があります。
燃料は液体から固体になる温度が−40℃ほどです。
この時は機体が冷やされる温度すなわち機体表面の温度TATを使用します。
もしTATが−40近くの場合、TATは速度が早ければ温度が上昇する特性があるので増速するか、外気温度はTATにも影響しますので高度を下げればTATも上昇します。
飛行機は基本は高い高度ほど燃料効率が良くなり出来るだけ高い高度を選択することがあります。
しかしながらこの燃料の温度の制限などで、燃料効率が悪くても低い高度を飛ばないといけないこともあります。
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