(2000+1000)×4
↑
「この式になる問題を考えて書きましょう」
これはお嬢(小4)の算数の宿題だ。
そもそも昨日の帰宅後の話だ。
夕飯を食べ、片づけをし、さあ風呂だと思ったら、まだ宿題が終わってないというので付き合った。
言っておくが「算数」だ。「数学」ではない。
小学4年の教科書の中にある、ささやかな例題である。
そもそもですよ(二度目)。
現在、学校でお嬢は四則計算の練習をしているのだが。
お嬢は、わたしがいくら
「( )があったら、まず一番最初にそれを計算して、その後掛け算と割り算をやって、最後に足し算引き算だからね!」
と教えてやっても理解できないらしい。
だからさー!
最初に計算すんのは( )でー、同じ式の中に掛け算があったら次にそれをやってー、
あ、バカ!どうしてここで引き算しちゃうのさ!!
ということを延々繰り返す。
隣に付きっ切りで教えてやったのだが、イライラしているのが傍目にも分かり、最後はもうめんどくさくなったのか、
「ああ?」「知らなーい」「わかんなーい」「多分こうだと思うー」(明らかに投げやりな感じで)
を延々とリピートして聞いていた。
てめー、こっちは仕事終わって疲れた身体で付き合ってやってんのになんじゃ、その態度!!!
うがー!!!
と一度はキレかけたものの、そんなことでキレてしまっては大人としてどうよ、と思いなおしコーヒーを飲んで一服。
やっと1時間を掛けて「やった」という既成事実だけは残せるようになり、最後に残ったのが冒頭の問題であったのだが。
「…ママ」
「…なんじゃい」←すでにぐったり。
「どうすればいいだろう………」
「とにかくあんたがこれでいいかな、と思う問題を作ってみなよ。間違ったら間違ったと言ってやる」
「………わかった。…じゃあさ。
”あかりちゃんは1冊2000円のドリルを買いました。そして1000円の本も買いました”」
「…はぁ。やけに高けードリルだなー」
「え?!ダメ?!じゃあドリルを1000円にするよ」
「ポイントはそこじゃないけど。………まあいいよ。続けたまえ」
「…それを友達3人にあげることにしましたが、………」
「なんで、わざわざあかりちゃんはそれを友達に買ってやるのさ。誕生日プレゼントかなんかなの」
「違う。でも…そうだよね、高いよね。なんでドリルを買わなきゃいけないんだろう。
ママ待って。じゃあ、もう一つ考える。
あかりちゃんは2000円の家を買いました…」
「安すぎる!ありえねーだろ、2000円の家って!」
「安いよね。じゃあ、何を買えばいいんだろ。何がいいの、ママ」
「そういうことじゃない!買い物じゃないネタはないのか!!他になんか考えろ!」
↑
15分くらい、こんな不毛な会話を繰り広げた。
もー、なんなんだ。この有様。
大丈夫か、娘。
旦那にいたっては
「俺はもう無理。計算の順番なんて分からん。夕方、宿題を友達のラムちゃん(仮名)と一緒にしていて、ラムちゃんが( )を先に計算するんだよ、って教えてくれて、初めてそこで知った」
どいつもこいつも!!
仕方がないので。
算数なんてパズルなんだよ。
小学校の算数なんて、ルールを見つけてそのとおりやれば出来るようになってるんだから。
ほら、お嬢。あんたが好きだった某○HKでやってたアニメのパズル話と一緒だよ。
ルールを見つけるんだよ。
そんなに難しくないんだよ。
カイトくんも「俺に解けないパズルはねえ!」って言ってただろ?
パズルタイムの始まりだよ?
とりあえず、そんな暗示を掛けて風呂に行ってみた。
暗示が効くか分からなかったので、一応ヒントだけは与えておいたら
「---あかりちゃんは、」
とまた言い出したので
「………あかりちゃんは登場させなくていい。ママだったら、とりあえずピンクの毛糸2000グラムと赤の毛糸1000グラムでマフラー一つできます。それを4つ作ると毛糸は何グラム必要ですか、とでもするけどな」
とヒント(っつーか、ほぼ答え)を教えておいたところ
結局、
「ピンクのビーズ2000個とブルーのビーズ1000個あればネックレスができます。それを4つ作るにはビーズはいくつ必要ですか」
という問題が出来上がっていた。
「数えるのめんどくさそうだね…。ビーズ」
と言ったら
「○○(お嬢の名前)には無理だよ…。やっきりしちゃう」
と言っていた。
まあ、いいよ。
夜の10時まで頑張った、と言っておこう。
でもちゃんと復習しろ。
そして今夜も。
悪夢再びだった。
…もうやだ。