一つ大きな付属校化のニュースがありました。

付属と附属の使い分けができないので、付属表記で統一させてもらいます。

 

その前に、付属高校からの医学部内部進学を有する大学は

 

慶應義塾大学

日本大学

東邦大学

獨協医科大学

東海大学

近畿大学

川崎医科大学

福岡大学

 

があります。

ここに、北里大学と順天堂大学が加わりそう、と言うのが最近の話題。

僅か半年もしない間に2校も付属校化の報道が出ているのは、

少子化で学校経営が厳しいことの証左でしょうか。

医学部ブームってもうピークアウトしたと言われているはずですが、

それでもまだまだかなりの需要が見込める分野ですね。

 

以下、かなり主観も含まれますので、あくまでも個人の感想です。

 

まずは慶應義塾大学。

慶應高校が公表している内部進学データ、2023年度は670人中656人が慶應義塾大学へ進学。

そのうち22人が医学部への進学です。(通称塾高の定数は22と言われていますね)

慶應女子高校が公表している内部進学データ、何名が外部進学かまでは公表していませんが

5人が医学部への内部進学、主な外部進学先は他大学医学部2名と体育大学に1名でした。

慶應に関しては、医学部志望で推薦がもらえない場合が主な外部進学者の理由と考えられます。

過去に慶應高校から内部推薦で医学部へ進学した先生と話をしたことがありますが、

高校時代が一番勉強して辛かったと言ってました。

慶應医学部は慶應中学への入学難易度も推薦の熾烈さも他校とは比較できないレベルです。

レベルが違いすぎるので置いておきます。

 

次に川崎医科大学。

ここはなかなか詳細が公表されず、関東にない大学(川崎さんは創立者?岡山県にあります)、

しかも高校3年間の学費が1000万を超えると言う話です。

高校に入れば80%以上医学部に行けるようですが、

関東ではなくかつ高額すぎて同列に語るのは無理があるので以降考えません。

 

日本大学と東海大学。

内部推薦ありますが、全国に付属校があり、何枠に対して何千人が居るのかよくわかりません。

中学入学自体は付属校が多いので比較的容易だと思いますが、

学内選抜の対象者が桁違いに多いのでこの2校もこれにて話はおしまい。

付属校の中でも枠の多い学校はある様です。

 

近畿大学と福岡大学

関東にない学校で、付属校のことを全く知らないので、今回の記事では触れません。

触れられない、が正しい表現です。

余談ですが、九州に超進学校の久留米大学附設中高というのがあります。

200名弱の卒業生で浪人含め東大40、九大医学部に20人以上という学校です。

久留米大医学部にも毎年10名弱合格を出していますが、皆さん一般入試です。

ここは内部推薦枠を全く有していない、逆に珍しい学校です。

 

 

残ったのは東邦大学と獨協医科大学、そこに加わるであろう北里大学と順天堂大学を考えます。

ちょっと混乱するのは、順天中学を北里大学が付属校化し、

宝仙学園を順天堂大学が付属校化する見込みなので、順天違いにご注意を。

 

まず大学と付属校、2024入試での12月四谷大塚公表の男子80%偏差値の関係です。

医学部偏差値は医学部予備校が出していランキングを元にしたコメントです。

 

東邦大学(私大医学部の中堅校)

駒場東邦中学(66)男子校

東邦大東邦中(60)共学校

 

獨協医科大学(私大医学部の比較的容易校)

獨協中学(48)男子校

獨協埼玉中学(39)共学校

 

北里大学(私大医学部に比較的容易校)

順天中(44)共学校

 

順天堂大学(慶應に続く私立2番手グループ校)

宝仙学園(42)共学校

 

 

まずは昔から内部推薦枠を持っている東邦大学。

多分駒場東邦が、内部推薦を持つ高校で唯一枠を余らせている学校だと思います。

公表されているのは各校15名以内、合計で25名以内の枠。

東邦大東邦は15人前後毎年しっかり進学していますが、

駒場東邦はここ4年で1、3、4、3人の合格者です。(進学してるかは二の次)

全員が内部推薦だとしても5人を超えた年はありません。

準御三家と称される超難関進学校、私大医学部でもいいと言う発想にはなりにくいですかね。

 

東邦大東邦は合格実績から判断すると、私大医学への進学者が年20から25名程度かな?

多く見ても30名程度での推薦枠争いかなと思います。

現浪合わせて毎年15名以上は国立医学部へ進学していますので、推薦もらって私立では良しとしない

生徒が多そうな気はします。

医学部推薦をもらう、と言う意味では、この2校は他の学校に比べて入口偏差値が高く、

出口を見ても自力で国立にもかなり合格しているので、そこまで難しくはないように見えます。

あくまで学内で推薦をもらう、という意味です。

駒場東邦なんてちょっと頑張った程度で歯がたちませんからね。

千葉だと市川も余裕、くらいの学力が欲しいですかね?異次元すぎてわかりかねます。

 

駒場東邦 2023  国立医学部23 私立医学部55 東邦大医学部2(内現役1)

東邦大東邦 2023 国立医学部13(現役9) 私立医学部65(現役49) 東邦大医学部22(現役20)

         推薦以外で5人以上一般入試で合格している見込み。

 

獨協医科大学。

ここは2022年度入試から内部推薦枠を作りました。

その結果、獨協中学の全4回入試総受験者数は

1444(2021) → 1742(2022) → 1563(2023) → 1783(2024) と何となく2割増えた感じがあります。

四谷大塚偏差値も44前後から48くらいにまで上昇しました。

獨協埼玉の場合

1536(2021) → 1891(2022) → 1787(2023) → 1560(2024)と今年は2021と同じ位でしたが、

2年間は結構増えてた感じがあります。獨協埼玉の過去の偏差値はうまく探せませんでした。

少なくとも、医学部内部推薦枠は非常に大きな魅力で、

発表されると人気、難易度とも大きく上がることは間違いありません。

 

獨協 2023 国立医学部1(浪人) 私立医学部30(現役19) 獨協医科大学11(現役11)

   枠の競争はそれなりにありそうですが、私大医学部決めうちで中学受験して内部進学を狙うには

   卒業生191人に対して11人なので、実はかなりお得?一般と推薦の区分は不明ですが。

獨協埼玉 2023 の詳細不明、2022は私立医学部に現役で3名、うち2名が獨協医科大学。

 

 

北里大学

入試直前に順天中との合併話が公表されました。これを聞いて、入試動向がどうなったかですが、

総受験者数は614(2023) → 849(2024) と30%以上の増加。

予想偏差値と結果偏差値に関係はまだ見れないので、どう変わったかに来年以降注目です。

 

順天高校 2023、2022ともに現役合格なし 2023は国1私2、2022は私4。

 

 

この劇薬を手に入れた宝仙学園、詳細はまだ何も決まっていませんが、

国立大学医学部並みに難しい順天堂大学の推薦枠ができると、

獨協中学とは比べ物にならない上昇カーブを描くと思われます。

少なくとも、順天堂大学より明らかに高難易度と言える私大医学部は

慶應義塾大学以外には無さそうですし、

本年度の予想偏差値ではかなり宝仙学園はお得校です。

今年入学した医学部志望者はもしかしたらとてもラッキーだった可能性があり、

複数合格で宝仙学園にお断りをした方は、後悔している方多いのではないでしょうか?

 

宝仙学園  2023 国立医学部2(現役2) 私立医学部14(現役11)

 

 

 

最後に、今わかっていることのまとめです。

 

順天中学

2023年11月に、2026年4月からの北里大学との合併を締結。

北里医学部への内部推薦枠も有する見込み。枠数は未定ですが、皆さん10前後を予想。

 

宝仙学園

2024年度から順天堂の系属校、まずは6年間、その後も継続見込み。

来年度の高校3年生より数名の医学部推薦枠を造設予定。

中学にも2025年度入試から医学部進学コース新設予定。

このコース入学者のみが推薦枠にチャレンジできるシステムかもしれませんね?