まず最初に。
私自身は、幼少期に従兄弟から性被害を受けました。
芸能界に入ってからも、エランドール賞の受賞経歴もある、一時は日本アカデミー賞の常連作品を手掛けていた映画制作会社の社長でプロデューサーのW.M氏から
「自分のものになれ、ならないならば君のキャリアは終わり」
と脅されたり、オーディション会場だと偽られた高級ホテルの一室で、無理矢理にキスをされ服を脱がされそうになりました。

灰皿でぶん殴ってやりました。
注)正当防衛です。
荷物をかき集め、震える足を励ましながら走って逃げ出した。

男と女は違う生き物です。脳の構造さえ違う。
性別で簡単にくくれはしない。

あくまで個人的な推測ですが、権力を使って女性をねじ伏せ、快楽を感じる男性には

ある共通点がある...

誰にも相手にされない、見下された人間であったということではないでしょうか。

それが、権力を得た途端、相手にされなかった恨み、自分の思い通りにできなかった悔しさ、見下されバカにされた心の闇、つまり復讐心。

それが、権力を得た途端に。

惨めな過去を清算できる、自分の思い通りになる、そして、それは映画界では、夢を人質に取られた女優という弱者へ向かう。

枕がなくならない。

それは、それを利用する女優もいるから、でもあると思います。

事実、枕営業を喜んでやっている女優を、私は何人か知っています。

才能と実力意外を売り、前例を作る。同じくらい罪深いと、私は思います。

売り物を、演技力ではなく身体にしてしまう。
端役でもいいから、SEXと交換に欲しいものを得て、前例を作り、モンスターを増やしていく。

今回の文春の記事に、大変なショックを受けました。なぜなら...私の女優人生で最高の仕事、経験を与えて下さったカメラマンの早坂伸さん、脚本家の港岳彦さんの名前が出ていたから。

監督は違えど、私は映画「夜だから〜Night,Because」で、早坂伸さん港岳彦さん、このお2人の映画で主演をさせていただきました。

早坂さんは真っ直ぐで、正直な方。曲がった事を嫌い、人間や人間性を大切にする方です。男女問わず。厳しくも、優しさや映画への愛が溢れた言葉に、現場で何度救われた事か。

難しいシーンのカット!という声の後。

早坂さんが小さな声で「素晴らしい」

と言って下さったのを私はしっかりと聞いて、涙が出ました。本当に嬉しかった。

それは、早坂さんが正直で、おべっかを使ったりしない人だと知っていたからです。

港さんは女性を貶めたり、女優の性を商品化したりするような脚本は書きません。

彼の作品の女性は、まさに優れた女、と書くに相応しい、女優のための女性が描かれています。

私は性被害の経験があり、男性に対して常に緊張していました。そしてそれを悟られないよう、必死だった...。悔しかったから。

被害者、犠牲者、憐れまれたくなかった。

それでも、映画「夜だから〜night,because」で裸になったり、相手役の波岡一喜さんと濡れ場を演じることに全く抵抗がありませんでした。

それは、早坂さん、港さん、そしてもちろん福山功起監督監督との信頼関係です。

早坂さん、港さんが安心して演じられる映画の設計図を作ってくださっていたからです。

トラウマという足枷を外して、殻を破り、自由に表現をする勇気をくれた。

私にとっての運命の出会い、一生、忘れる事のない、撮影現場で感じた自由。

被害者の女性の心が癒える日を願っています。
それがとても難しい事だと、よく分かっている。それでも、私の心は、いつも彼女達と共にあります。勇気を出し、告発した事。
彼女たちは、自分たちに降りかかる偏見や圧力に屈せず、日本映画界に一石を投じた。

監督には、権力ではなく、責任がある、という事を学んでもらいたいです。
作品に罪はない。
それでも、公開されれば、監督が制裁を受けなければ、被害者は泣き寝入りをし、また苦しむ。
映画のために、必死で頑張った出演者、スタッフの皆さん、そしてわたしの恩人たちを今なお苦しめている事は、許し難いです。

皆さんにお願いします。

今回、被害に遭い、それでも告発した、勇気ある女性たち...

素晴らしい才能と、人間性を持ち合わせた
早坂伸カメラマンと、脚本家の港岳彦さん、を一緒に応援してください。



どうか、よろしくお願い致します。