日経平均、2023年の終値3万3464円 年間で7369円高 | チェンマイにロングステイして

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2023年12月29日

2023年の大納会を迎えた29日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比75円(0.2%)安の3万3464円で終えた。年間での上げ幅は7369円と1989年(8756円高)以来の大きさとなった。日本企業の稼ぐ力の向上や日本経済のデフレ脱却に期待する海外マネーの流入が相場を押し上げた1年となった。

年間ベースでの上昇は2年ぶり。年末終値としては、日経平均が史上最高値をつけた89年の大納会(3万8915円)以来の高値となった。年間を通じた高値は7月3日につけた3万3753円、安値は1月4日の2万5716円だった。

日経平均採用225銘柄の騰落率をみると、上昇率上位にはPBR(株価純資産倍率)が1倍を割る銘柄が目立つ。東京証券取引所は3月、プライム市場とスタンダード市場に上場する企業に対して「資本コストや株価を意識した経営の実現」に向けた対応を要請。特にPBRが1倍を割り込んでいる企業に対しては改善を求めた。

株主還元の拡充や株式持ち合いの解消、成長分野への投資といった資本政策の見直しへの期待感から低PBR株が買われた。配当性向の引き上げを決めた神戸製鋼所の株価は年間で2.8倍となり、上昇率は225銘柄のトップだった。TOPPANホールディングス(旧凸版印刷)も政策保有株の売却益や手元資金などを元手とした大規模な株主還元や成長分野への投資が好感され、株価が2倍になった。

春先から夏にかけては米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の来日がきっかけとなり、海外勢の日本株への関心が高まった。来日時のインタビューでバフェット氏は三菱商事や伊藤忠商事など保有する5大商社株の買い増しを明らかにし、日本株に強気姿勢を示した。5社の株価はそれぞれ上場来高値を更新した。

また、年間を通じて生成AI(人工知能)が投資テーマとして世界の株式市場を席巻した。AIの実用化に伴い半導体の需要が伸びるとの見方から、半導体関連株の上昇も大きかった。東京エレクトロンの時価総額は年間で6兆円近く伸びた。

東京証券取引所で23年最後の取引となった29日の大納会の式典にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表監督を務めた栗山英樹さんが出席した。栗山さんは「来年こそは世界が日本の経済に憧れる、そういう存在になってくれると信じている」と話した。

栗山さんは野球日本代表「侍ジャパン」の監督を務め、23年のWBCでは3大会ぶりの世界一に導いた。栗山さんは年内取引の終了を示す恒例の打鐘に参加した。「五穀豊穣(穀物が豊かに実る)」に由来して、鐘を5回鳴らした。

東証を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)の山道裕己最高経営責任者(CEO)は2024年1月から新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まることから「貯蓄から投資への流れが大きく加速する1年になる」と期待を込めた。