検察は安倍派に恨み骨髄!「パー券裏金」の実態“丸裸”で派閥は壊滅へまっしぐら | チェンマイにロングステイして

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公開日:2023/12/12 日刊ゲンダイ
  
 自民党派閥の政治資金パーティー収入の裏金疑惑は、わずか数日で最大派閥・安倍派の幹部6人に波及。岸田政権の屋台骨を揺るがす事態に発展した。

 6人は松野官房長官、西村経産相、萩生田政調会長、高木国対委員長、世耕参院幹事長の「5人衆」と、「座長」の塩谷元文科相。全員が安倍派の集団指導体制に関与する最高幹部だ。うち松野氏、西村氏、高木氏は直近5年間に派閥の実務を仕切る事務総長を経験している。

 塩谷氏以外は閣僚や党執行部に現職で名を連ねているが、岸田首相は近く全員のクビを取り換え、安倍派幹部を要職から一掃する構えだ。

 捜査にあたる東京地検特捜部も本気だ。安倍派に所属する国会議員の秘書を次々と任意で聴取し、その数はすでに20~30人に及ぶという。

「党本部が検察の窓口となっており、衆参それぞれに党の顧問格の弁護士がつき、折衝にあたっています。弁護士を通じて検察から呼び出しを受けると、指定の場所に出向き、任意で事情を聴かれます。各事務所の会計責任者に限らず、派閥の事務方との連絡係だった秘書も呼ばれています。彼らから派閥の指揮系統や事務総長の関与などを細かく聞き出し、特捜部は安倍派という組織の実態を“丸裸”にするつもりです」(自民党関係者)

 特捜部は13日の臨時国会閉会後、政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)容疑で裏金捜査を本格化。歴代事務総長ら安倍派幹部への任意の事情聴取を検討し、事務方から報告を受けるなど裏金について詳細を把握していれば、「共謀」に問われる可能性も出てくる。

 はたして検察のターゲットは誰なのか。「バッジ」を挙げるとなれば、直近5年間で5000万円超~4000万円超の裏金のキックバックを受けた疑いのある大野泰正参院議員、池田佳隆衆院議員、谷川弥一衆院議員の3人にとどまるのか。それとも事務総長経験者全員まで拡大するのか。底ナシ疑惑に安倍派は皆、戦々恐々である。

泥舟から逃げるように離脱者相次ぐ

 ここまで検察が安倍派の捜査に本腰を入れる背景には、安倍政権時の「遺恨」があるとされる。

 2020年に安倍政権は「官邸の守護神」と呼ばれた黒川弘務東京高検検事長をトップの検事総長に昇格させる布石として、勝手な法解釈変更で黒川氏の定年延長を閣議決定。それを正当化しようと、後付けで検察庁法の改正まで強行しようとした。

 結局、黒川氏は賭けマージャン問題で引責辞任したとはいえ、検察側は人事という「聖域」に手を突っ込まれたことに今も安倍派には恨み骨髄。裏金疑惑で壊滅状態に追い込み、安倍派憎しの検察は「本懐」を遂げたと言えるだろう。

「松野氏らの後任から安倍派議員が外れるのは確実。要職を求めない『謹慎期間』が長引くほど、99人を擁する最大派閥は崩壊に向かう。ポストを得られないならと泥舟から逃げるように離脱者が相次ぎ、キックバックの恩恵を得てこなかった議員ほど、その思いは強いはず。何せ『安倍派』というだけで疑惑の目を向けられ、選挙には不利です。自壊による沈没は当然で、自民党ごと海の藻くずと消えた方が、この国のためになります」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 おごれる安倍派は久しからず──。年の瀬の永田町には諸行無常の鐘が響き渡っている。