MUSEUM REPORT 

光が宿るガラスの世界へ
みらい美術館レポート

アール・ヌーヴォー × フランス工芸ガラスの名品

 

 

横浜・高島町にあるみらい美術館へ行ってきました。

スタリス⭐️横浜様よりご招待いただき、実際に足を運んでみると……

これが想像以上の感動体験でした!

 

 

暗闇に浮かぶ、光のガラス

 

館内に足を踏み入れると、まず漆黒の空間に溶け込むように

輝くガラス作品たちが出迎えてくれます。

天井からは淡い橙色の吊り灯が連なり、

壁際には色とりどりの花瓶が光を透かしてそっと佇む──

まるで異世界に迷い込んだかのような、息をのむ光景でした。

 

漆黒の空間に浮かぶガラスの光──展示室の雰囲気

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エミール・ガレの世界

 

展示の大きな柱となっているのが、フランス・アール・ヌーヴォーを

代表するガラス工芸家、エミール・ガレ(Émile Gallé)の作品群です。

 

植物や昆虫をモチーフに、ガラスの層を重ねて彫刻した

カメオガラスの技法が見事。

バックライトに透かされた花瓶たちは、

緑・赤・黄・青と層を変え、生きているかのように輝いていました。

 

 

中でも印象的だったのが、1900年制作の「オンベル文花器(Ombelle Vase)」。

エメラルドグリーンの細長い花器に、野草の花穂がびっしりと浮かび上がり、

ガレの自然への深い愛情が伝わってくるようでした。

 

No.36「オンベル文花器」エミール・ガレ 1900年

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宇宙を閉じ込めたような、星降るガラス

 

数ある展示の中で、私が一番長い時間

立ち止まってしまったのがこの一点でした。

 

金銀の粒子が散りばめられた、息をのむ深海色の花瓶

 

深い深い夜空のような紺碧のガラス地に、

金と銀の微細な粒子がきらきらと散りばめられ、

まるで満天の星を瓶の中に封じ込めたよう。

 

表面に浮かび上がる生き物のレリーフが、

その宇宙的な輝きの中にひっそりと息づいていて……。

 

「綺麗だな」という言葉では足りなくて、

しばらくその前から離れられませんでした。

 

学芸員の方に伺うと、この表面のきらめきは

ガラス層の間に金属粉や金属箔を封じ込める

高度な技法によるものだそう。

 

まさに職人の粋を尽くして生み出した

表現だということでした。

 

現代のどんな素材でも、なかなかここまでの

奥行きと輝きは出せないのではないでしょうか。

「本物の美しさ」というものが、静かに

心に響いてくるような気がしました。

 

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アルジー=ルソーのパート・ド・ヴェール

 

ショーケースの中でひときわ存在感を放っていたのが、

A.ルソー(Gabriel Argy-Rousseau)による

パート・ド・ヴェール(ガラスの粉を型に入れて焼成する技法)

の作品たちです。

 

No.54「ライオン花器」A.ルソー 1926年

 

  • 「ライオン花器」(1926年)琥珀色の地に躍動するライオンが浮かび上がる、力強い一点。荒々しい鬣の質感まで見事に表現されていました。
  • 「朱鷺蓋物」(1923年)鮮やかな朱色の蓋物。蓋の上には朱鷺がリアルに造形され、まるで彫刻のような存在感。
  • 「葡萄花器」「芥子花器」小さくとも色彩の豊かさに圧倒されました。

 

精緻な造形──芥子花器・葡萄花器のクローズアップ

 

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ミュラー兄弟のランプたち

館内にはミュラー兄弟(Muller Frères)によるランプも

展示されており、点灯した状態で見ることができます。

山岳風景や森を描いたカメオガラスのシェードが、

電球の光を受けて幻想的に輝く様子は、

まさに「使われる芸術品」の真骨頂。

 

天井に吊られた大型のシャンデリアも圧巻で、

フランスの自然風景がぐるりと描かれたシェードが

柔らかな光を広げていました。

 

バックライトに輝くガレのカメオガラス

 

天井を彩るシャンデリア──自然風景が描かれたシェードが幻想的

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技法の秘密も教えていただきました

 

受付の学芸員の方が、展示作品の技法について

とても丁寧に解説してくださいました。

 

なんと、みらい美術館の母体は歯科専門学校。

その精密技術を応用して、

ガレやアルジー=ルソーの技法を研究・模倣した

作品も制作・展示されており、

間近で見比べることができます。

 

本物の名品のそばに、その技法を忠実に再現した作品が置かれているので、「なぜこんな表現が可能なのか」が視覚的にもよくわかる、とてもユニークな展示構成でした。

 

 

 

ACCESS & INFORMATION

 

📍 横浜市西区高島1丁目(高島町駅すぐ)
※金土日祝のみOPEN

🔗 https://tsurumi-ikueikai.jp/miraimuseum/

 

スタリス⭐️横浜様でのご紹介記事もぜひご覧ください💖

🔗 https://sss-yokohama.com/contents/71392/

 

 

アール・ヌーヴォーのガラス工芸にご興味のある方はもちろん、

「光と素材の美しさ」を感じたいすべての方に

おすすめしたい美術館です。

 

横浜にこんな素敵で隠れ家的な場所があったなんて、と驚きました✨

ぜひ足を運んでみてください❣️

 

最後に、みなと美術館を訪れる機会を作ってくださった、スタリス横浜様に、心から御礼申し上げます✨