『その時までサヨナラ』
山田 悠介 文芸社文庫
仕事熱心で家庭を振り返らない悟と、そんな旦那を責める妻の亜紀。
当然二人の仲は冷え切り、悟は職場の女性と不倫を始める。
そんな中、妻は子供の裕太を連れて家を出て行った。
そして東北で大地震が発生し、話は急展開する。東北とは関係ないはずの亜紀が死亡したとの知らせが悟に入る。
それと同時に悟の前に現れる亜紀の友人、春子。
春子は強引に悟の自宅に入り込み、悟が裕太を育てられるように、家事全般の指導を始める。
初めはこれに反抗していた悟だが、徐々に春子とうち解け、家事が出来るようになってくる。
そんな中、春子の写真が新聞に掲載される。しかも行方不明の霊媒師として。
悟はそんな春子を問いただし、家から追い出してしまう。
そして春子が誰なのか、春子の正体を探し始める。
探していくうちに、春子の正体に気づいていく。
そして冷え切っていたはずの妻、亜紀の想いに気づいていく。
でも、本当の別れはこれからだった。
小さな想いの違いが、いつの間にか相手と全ての面ですれ違っていってしまうほど増幅し、憎しみ合ってしまう。
でも、実は紐解くと素直な想いが溢れている。
彼や彼女や旦那や妻とすれ違ったとき、奥に流れる相手の想いを汲み取ってあげられる、そういう関係になりたいと思わせる小説。
