東京に向かう車内、怖い話大会が始まった。

その中から、

選りすぐりの怖い話③選を特別に紹介したいと思う。





同行してるカメラマンのフランケン、メンバーが続々と真面目にヤバ怖い話をして、そのレベルが
高くて本気で怖かったんだけど、

唐突に、運転席のマネージャー(通称みっつ)が突然、

「、、、あのね、じゃあ俺話していい?」と話し始めた。
いつもと声のトーンが違くて、あぁ本気のやつくるな、と思ってみんな背筋を伸ばして聴き始めた。

ミッツ「学生の頃なんだけど、男友達と女の子四人で心霊スポット行ったのよ。
結構遠くて、まぁ田舎の山の方にあるトンネルなんだけど。山って精霊とかいるから、やばいわけよ。

したらね、トンネルの中で、よくみたら、だんだん向こう側から男二人が近づいてきて。」


全員「怖い怖い、、」


ミッツ「なんだ?と思って目凝らしたら、地元の本気のヤンキーなんだよね。」


歌川「あ、まだ霊じゃないのね!あー怖い〜、、、」


ミッツ「で、まぁ道の奪い合いになったわけよ。

でもまぁ田舎の本気のヤンキーだから、ボッコボコにされて。」


佐藤「うわ、、。あーでもなるほど。
それでトンネルに置いてけぼりにされて、何か起きたと?」


ミッツ「いや、逃げて帰って入院した。」


全員「 、、、え?」


ミッツ「あーれは怖かったわ」


全員「、、、。」


みんな、口に出さなくても、思ってることはわかった。

だから、思わず言った。


佐藤「欲しいのそういうやつじゃないんだよね」









赤い公園の中では、
佐藤、津野、藤本は全く霊感がないので本人談の話が出来ず、わりと聞き役だった。

しかし、歌川は一番怖がりなのに、その反面悪い気とかを一番感じやすく、それがわりかし当たる。

そんな彼女が、過去のスタジオでの怪談話をおもむろに始めた。


歌川「まだ誰もいないはずなのに、女の人が見えたんだよね、、、」


全員「こわ、、、」


佐藤「やっぱうたこす感じやすいよね、多分普通に霊感あるよね」

歌川「うん、でもある気がする。そのスタジオもすっごい嫌な感じで、行きたくなかった、、。」


すると、静かに聞いていた藤本がうんうん頷きながら話に入ってきた。


藤本「私も全っ然感じないけど、スタッフさんも嫌な感じしたって言ってた!!」


歌川「やっぱり?!」


藤本「寝てる時何回も目覚めちゃったらしい。私も昨日全然寝付けなくて、ホテルで。」


歌川「、、え?ホテル?スタジオの話じゃなくて?」


藤本「うん、ホテル〜。」


何の話を聞いていたんだろう。
そして何の話をしているんだろう。

みんなが首を傾げた。


私は思わず言った。



佐藤「お前が一番怖いわ」










怖い話大会も一通り終わり、
終盤、〆の空気になってきた。

皆、各々にベストオブ怖い話を決めて、感想を述べあっていた。


歌川「そういう話って、やっぱ本当にあるんだねぇ。
私もいつか見ちゃったりするのかなぁ、、」


そんな歌川のつぶやきが聞こえて、
私の中に、昔人から聞いた話がふわっと蘇った。


これを教えてあげれば、怖がりな歌川も少しは落ち着くだろう。


佐藤「なんかさ、20歳までに霊を見てない人は、それ以降は見ないって言うよね」


歌川「あ、そうなの?」


佐藤「うん、だから大丈夫でしょ、うたこすは」


歌川「いや、あたし20歳になる前に見てるもん」


佐藤「、、え?」


歌川「話したじゃんさっき!」


佐藤「え?、、あれ?私いま何て言った?」



歌川「うん、あのー大丈夫!もう大丈夫!」


こうやって人からあしらわれていくんだろうな、
私のこれからの人生。

私はそんな未来を想像して、
思わず声に出した。


「怖い。」



さて、安全運転で帰ります(^o^)/
着せ替えアプリでもしながら(^o^)/