3/5(土)晴れ
ドアを開けて散歩に出る。大きく息を吸い込むと、春の香りが冬の風に乗ってやってきたように感じる。冷たい空気に春の香り。ぽかぽかの太陽と冷たい風。お風呂の中で氷を食べる、そんなアンバランスさに心地よさを感じた。私は毎日同じ時間、同じコースを散歩していた。家の目の前を通る一歩の道路。ここは通勤時間は車通りが多いが、その他の時間はほとんど車通りはない。念のため左右を確認し、横断歩道のない道路を突っ切った。ちょっと小走りで。これが私にとっては大切な習慣だった。小走り。横断歩道以外を通るのはルール違反だと分かっています。そんなアピールをする。それから、走るでも歩くでもない中途半端な感じがこの季節にぴったりな気がして気に入っていた。
そんなこんなで道路を突っ切り、細い道に入る。右に曲がりほんの少し歩く。そして、左に曲がると真っ直ぐな細い道が続く。その真っ直ぐな道に入ってすぐ、野良猫がたくさんいる場所がある。正確には野良猫のように生活する飼い猫。彼ら(彼女ら)はいつも私に向かってこう話しかける。
玄関ドアの前に佇む薄汚れたグレーのおばあちゃん、ロシアン「おはよう、お嬢ちゃん。今日もお散歩かい?若い子は元気でいいねぇ」
草に隠れた子猫のミケ「おはよう、お姉ちゃん。今日もキャップが似合ってる!本当にいつもかわいいね!」
塀の上で寝転んだやんちゃボーイのシロ「おはよう、お嬢!今日はぽかぽか気持ちいいぜ。」
みんな優しい猫たち。しかし、私にはどうしても気の合わない猫がいた。ボスネコのクロだ。どっしり太り、4本の脚が見えない程の巨体。全身カラスのように真っ黒で、まるで黒い物体が音もなくゆっくりと移動しているようだ。ゆっくり、そして、私の眼をもう二度と離さない迫力で見つめ、近づいてくる。
クロ「おはよう、ガール♪ 今日はいつにも増して顔が浮腫んでいるね。相変わらず歪んだ顔じゃあないか。そんなんじゃ、誰もお嫁にもらってくれないよ。」
「お、おはようございます。クロさん。あいにく私は今のところ、結婚する相手がいないので、、」
「へっ相手がいたところでどうにもならないだろうよ。あんたは。」
あ〜、、朝、いや、昼からうんざり。クロに会った朝には1日が台無しになる。そんな気分だ。
適当に挨拶を済ませ、先を急ぐ。
ここからは、また明日。さようなら☺️