シュレッダー | 1000年生きる【休憩中】

1000年生きる【休憩中】

だから花火に行きたいんだってば。

昨日からシュレッダーをつかって紙ゴミを片付けている。
シュレッダー自体は前からもっていたのだけども
ばたばたと旅行に出発してしまったので
初めて昨日使った、という感じだ。
そういえば去年の今頃、Mさんの家でシュレッダーかけるのを手伝っていたなぁ、
などとそんなことを、紙を砕くノイズの中で懐かしく思い出す。

クレジットカードの請求書とか公共料金のとか、
個人情報を思いきって裁断。

それらの請求書以外にもやっといろんなものを捨てることができた。


親からの荷物に入ってたメモみたいな手紙、
もう家族の大切さは身にしみたから、とっておく必要はないや。

なんとなく棄てられなかった受験票とか入学許可証。
もう浪人時代の曲がった感情とはさよならです。

ほぼ毎回出席した授業のノートやレジュメ。
これを見ないといけないくらい理解できてないなら、
もう一回勉強しなおそう。

旅行中に集めた地図やパンフレット、入場券。
こんなものがなくても、あの時の記憶も感情も、大事なことは焼き付いてる。

公務員試験の対策マニュアルとか過去問とか。
あのころ目指したものは大事にするけど、今は自分の選んだ道を大切にしよう。

就活の時かいたエントリーシートや自己分析。
あの時描いた自分自身や夢は、さらに変化してるはず。



いろんな冊子や紙の束が紙片になっていくのを眺めながら、
自分がこれらのものを今、ようやく捨てることができたのだと気付く。
プライドとか昔とった杵柄とか、なにかを得たり頑張ったりした証明とか。
そしてあきらめのつかない夢たちとかも。
意識したことはなかったけれども
紙一枚の実体にしがみついて、過去を懐かしんで生活してたんだろう。

形をもっていたものがようやくゴミになって、
ゴミになって初めて捨てるしかなくなって、
捨てるしかなくなって初めて捨てることができたようだ。


シュレッダーは時間がかかる。
紙一枚捨てるのに本来なら一秒もかからないのに。
でもその時間は意味のあるものを無いものへと変えるのに必要な時間だ。
実に意味のあるものが意味を失う迄にはもっともっと時間がかかるわけだから
むしろ時間の作用を早めているのかもしれない。
シュレッダーの持つ不可逆性は、時間の持つそれと似ている。

とにかく今日は、部屋も心も掃除。