幾人もの女性をたぶらかしモノにし、最後には亡霊の鉄槌を受ける・・・
というような有名な話 「ドン・ジョバンニ」
私はこの作品になぜか縁が深く、幼い時に初めてレコードの音源
(どの国の歌劇団かすらも覚えていない)で父が聴いていたものが
印象に残っていたのか、その後 日本の二期会だったか藤原歌劇団
だったかで公演されたものを観ようと思い立ち一番安い末席の
チケットで観た覚えがあります。
何しろオペラの知識も乏しく、それがどうだったのかをここで
述べるほどの記憶もないのですが 最後の場面で亡霊と共に
地獄へ引きずり込まれるというあたりがゾクゾクしたことだけは
強烈でした。
またNHKで人形劇でオペラを放映していたことがあったのです。
ご存じでしょうか?これまた実に興味深く人形の表情があまり
変わらないだけに 逆に自分が「こう観たい」という意志が投影
されて感情が生々しく感じられるという不思議な番組でした。
その時もたまたま最初に観たのがドン・ジョバンニだったのです。
その後、オペラという人間の声帯が楽器となって成立する世界は
とても好きでレコードやビデオで親しんでいきました。
しかしチケットは高く学生の私にはあまり実際の舞台を観る機会
はなかったのですが近年 非常に録画技術が進んだ映像を映画館で
観ることができるようになって ここ数年はまたオペラ熱が再燃して
おりました。
ニューヨークメトロポリタンのオペラを毎年ライブビューイングで
楽しめるなんて本当に嬉しいことです。
参考までにコチラ 馴染みがない方でも気軽にいらしていただければ
新しい世界が拡がると思います。
http://www.shochiku.co.jp/met/schedule/
さて、今回は英国ロイヤルオペラの日本公演があると情報を得て
本当に数年ぶりに劇場に足を運ぼうと思い立ちました。
チケットは当然お高いので三階席です。(それでも宝塚を
3回は観劇できますよ・・・)
・・・が負け惜しみではございませんがオペラはセンターブロックの
二階~三階は「買い」なのです。 音響というのは上のほうに広がって
上がってきますからなかなかの迫力です。
そして演者の容姿・・・これはそこまで問う必要はないかと。
何しろ重量級の女性歌手が可憐な18歳の花嫁だの妖艶な愛人だの
深窓の令嬢だの・・・「脳内変換フル稼働」にしないといけませんから。
今回のオペラは特に「成功」でした。
演出のカスパー・ホルテンという人が斬新でシンプルなセットで
より人間の感情を際立たせようという意図(と私は受け取りました)
で セットの隅々まで観る必要もなく、
ドンナ・アンナ役のアルビナ・シャギムラトヴァさんが・・・かなりの
大柄でお顔もお月様のよう・・・ここは遠目で・・・・正解。
ひたすら「声」に没頭して斬新なCGというのか巧みな現代演出に
身をゆだねていればよいということで三階席から十分楽しめたのです。
やや哲学的でクラシカルではなかったので 物足りないという人も
周囲にはおられましたが 私はこのような現代的な演出は初めて
だったのでこれもまたいいものだと気持ちが良かったです。
演劇だけでなく様々なものにお国がらというのは出ますが
英国の演劇は私の嗜好にとても合うのでオペラもまたしかりと
自分勝手に納得ができて満足でした。
来月は熊川哲也さんの「カルメン」でバレエ鑑賞の予定です。
秋~冬の夜長には室内の催し物で魅力的なものが増えてきます。
楽しみですね。