母の日の少し前、娘とショッピングモールに行った際に
100円ショップで買い物がしたいと言ったので
いっしょに行こうとすると
「お母さんには見ないでほしいんだよね」と言うので
すぐに、母の日の何かを作る材料を買うのだと分かった
自分のお財布も持ってきていたので
お金が足りるかだけ確認し、私は近くのベンチで待っていた
照れくさそうに袋をもって戻ってきた娘にあえて何も聞かず
買い物を済ませて家に帰った
平日は仕事で帰宅は19時くらいになるので
母の日当日も、ホームセンターへ用事があって娘と出かけた
お花売り場にかわいいフラワーアレンジがあり、小さめのものを一つ、母に買った
直接渡すのはなんとなく気後れしてしまい
おばあちゃんに渡して、と娘に言うと
「敬老の日じゃないのに」と言いながらも「私も選んだの」と得意げに母に渡してくれた
家に帰ると娘が「あのねー、私もプレゼントあるんだよ。はい!」と、きれいな缶をを渡してくれた
開けてみると、中に単語帳が一冊入っていた。
見ていい?と手に取ると「恥ずかしいなー」と言いながらも嬉しそうにしている
めくると
「洗濯物をたたむ券 5回」「朝ごはんを作る券 3回」「マッサージ券 好きなだけ」と
様々なチケットが手書きで書かれていた
「一日王様券」というのがあり これなに?と聞くと
「おかあさんが一日王様になれるんだよ」と言う
「機嫌が直る券」は、娘に機嫌を直してほしい時に使える
「仲直り券」娘と仲直りしたい時に使う
「ジャン負け免除券」娘とじゃんけんして負けた時に使える
おもしろいチケットがたくさんあって
一体どうやって考えたのだろうと思った
クスクス笑いながら見ていると
娘が「使った券は、缶の中にあるシールを貼ってね!」と言って自分の部屋に行った
続きを見ていると
「すぐにかけつける券 3回」と言うのが目に入った
じっと見つめているとなんとも言えない感情がこみ上げてきて、涙がわっと溢れた
娘はそんなに深く考えてもいないかも知れないけれど
洗濯とか掃除とか具体的なことじゃなくて
すぐにかけつけてくれるんだね
すぐにかけつけたらお母さんが嬉しいと
それをしたらお母さんが喜ぶことだってわかっているんだね
そして、その言葉にこれだけ反応する自分の心にも驚いた
ひとりで子供を育てること
安定を求めたはずの正社員でやっていく不安・心細さとか
子供の事を相談できる相手がいないこととか
すぐにかけつけてくれる誰かがいないこととか
しんどい時なんてしょっちゅうある
きっとそういうのが根底にあるから
これだけ反応したのかも知れない
親ばかのようだけれど
会社に持って行って、チームの人に見せた
照れ隠しのような気持ちで「チケットの内容がおもしろいでしょ」と言って見せたけど
みんな、めっちゃかわいいね、おかあさんの事が大好きなんだねと言ってくれた