かつて私は、営業職なんてとんでもないと思っていた
営業職がどんなものかもよく知らなかったけれど
昔は、自分がジャッジされるものだとしか思えなかった
営業職と言っても、個人が対象なのか、企業なのか、売るものは何なのか、
様々ではあるしノルマがあるのか無いのかでも違うけれど
人の心をつかんだり
製品の良さを知ってもらったり
取引先との関係を築くとか
出来なかったらどうするんだろう
ノルマが達成できなかったらどうするんだろう
何も売れなかったどうするんだろう
そんなことばかりが浮かんできて
よく営業なんて出来るなぁと思ったり
営業職は強引な性格の人が多いんじゃないかとか
上司に叱責されるとか
マイナスなことばかり考えていた
多分、自分に自信がなさすぎたし
世間知らずなダメな人間だと思っていたから
タスクが明確なものをしっかりとこなすとか
それにプラスαのことをして役に立つとか、そういう事はよくできていたと思う
ずーっと、販売とか営業とか
そういったものは私には無理だと思っていたのに
何故か今、営業職をしている
いろんな業種があるし、私は飛び込みで何かを買ってもらうような営業ではないので
その部分も大きいと思うし
英語を使うというのも、やってみたいと思う部分でもあった
総務系も、経理系も、データ入力も、秘書、広報も
転勤を繰り返す中で、経験した
ずっと物足りなさや違和感を感じている部分があって
子供も小さくて時間も自由が利かず夫はいつも不在で
なるべく私が急に休んでも代わりが聞く仕事を選んだりしていた
ある意味、誰でも出来て、働く時間を延ばす以外は収入を上げられない
少しずつステップアップをしながら仕事を探して
秘書と広報は、クリエイティブな部分が多く、楽しさや喜びもあり
企画や寄稿を任されたり、私であることの価値も少しだけ見いだせるようになった
その間に英語も始めることになって、選択肢が少しずつ増えた
秘書・広報の仕事の中で、イラストレーターのソフトを自分でいれて本やYoutubeを見ながら独学でおぼえた
出来る事が増え、ソフトに自腹で投資はしたけれど、仕事でかなり役にたった
その代わり、この時給でやることではないな、と言う要求や内容が増えてしまうという側面もあった
案件単位でお金をもらえるようなクリエイティブな仕事も同じ時給の中でやらなければいけなかったし
同時期に同じ時給で入ったパートさんは、総務で勤怠管理や人事のサポートをすることになっていたけれど
基本的なPC操作も危うくて、上司から「何かの時はChiiさんに教わって」と
私が自分の業務の手をとめて、教える事もしょっちゅうだった
同じパート同士で同じ時給なのに、私が手をとめて教えないといけないんだ、と思ったり
私はお母さんだから。私は夫の反対に合わないであろう仕事しか出来ないから。
そもそも私は何も出来ないから。
だから我慢するしかない。という思い込みだらけだった
夫と離れて、模索して、心療内科にも通ったりカウンセリングを受けたり
自分で心の事を学ぶうちに
あれほど嫌だ無理だと思っていた海外営業職についていた
既存顧客がメインで出張も少ないし、ノルマもないのでかなり私にとって入りやすい形だったとは思う
お客様とやりとりしていく中で
基本的な流れや、やり方はあるけれど、やはり自分の色が出る
前はあれほど、「自分の色」が出てしまったら怖いと思っていたのに
ありがとうと言ってもらえて嬉しい
説明しておすすめしたとおりに注文が来て、嬉しい
ちゃんと取引先と、関係を作ったり喜びを感じる事が出来ている
もちろん失敗することもあるけれど
間違えても、失敗はしても、私がダメ人間なのではない
以前、上司に言われた「海外営業にはなれなかったはずの人」という言葉も
その時はひどいなと思ったけれど
でも、今の会社の状況では、必要で
なれなかったはずの人が、なりましたね、と思うし
それと同時に、これがゴールとは思ってませんよ、と思う
これが出来るなら、これもやってみたい、あれもやってみたいと思ったりする
怒りとか、見返してやりたいとかではなくて
自分が出来る事をまだまだ探っていきたい
どうせもう終身雇用だったはずの上場企業はとうに辞めてしまったんだから
人生は限りがあるんだから自分のやりたいことをもっとしたい
満足でない給与、拘束時間、ストレスを考えると
今のこの「雇われる」という状態にも疑問を持っていて
今一緒に時間を過ごすのはこの人達でいいのかな
残りの人生の時間を費やすのはこれでいいのかなと
よく考える
何かもっと出来るはずと考えたりもしている