兄とのかかわりは

依然として直接的で、ストレスを感じることが多い。

 

アパートに出たことで、だいぶ楽にはなったけれど

相変わらず空気の読めない、裸の王様であり、お山の大将でいる兄との関りは

なくすことは出来ない。

 

 

母は、世代のせいもあるとは思うけれど

「長男」を立てているし

「男の子がかわいい」というのも感じる。

 

ライフステージになんの変化もなく

ただ年齢を重ねている兄には、ある意味迷惑や心配をかけられてはいない。

結婚していないことは憂いているかも知れないけど

私のように、調停だ、離婚だ・・・と

親に心配をかけるようなことは何もない。

 



その中でも

兄との関りの中で変わったと思う事もある。

 

兄に対しての思い込みが、私の中にもあったというのがよく分かったこと。

 

「兄」だから。口ごたえしてはいけない。

「兄」だから。逆らえない。

「兄」だから。おまえ呼ばわりされても文句が言えない。

「兄」は優秀だから。私は違うから。

 

全部、私の思い込みと勘違いだったと分かった事。これは一年前との大きな違い。

 



実家に約半年間いる間、兄から勝手な事を(汚い言葉使いで)浴びせられて

さんざん傷ついて泣いたりしたけれど

結局、最後は我慢しようとしていた。


兄と話すとストレスと違和感を感じて、手が震えたり動悸がしたり体も受け付けなかった。


 

 

 

アパートに出たあとも、ひどい目にあった。

距離が出来ただけでだいぶ事がうまく行くようにはなったけど

兄が変わったわけではないし

実家に兄がいる限り関りは避けられない。

 


その代わり、これまでひた隠しにしていた兄のことを親しい人には打ち明けるようになった。


お前の子育てはうまく行ってない、

なんて最低だね。


そんな事を言われて気が楽になったりした。



兄のバカげた言動や行動、空気が読めずこちらがはずかしいと思うようなことがあると母にも言うようになった。

 


母は「いやねぇ」「困ったわね‥」と嫌そうなそぶりはするけれど

兄に何か言うわけではない。

 


いい加減、一回くらい家から出した方がいいよ。

と私が母に言うと

困ったように黙っている。

 

 

 

 

仕事は一応きちんとして収入がある大の大人が、

家を出ることに何のためらいがあるのか分からない。

 

 


私にも、まだ小学生だけど息子がいる。

母にとって、兄はいつまでも「自分のことが自分で出来ない」息子なのかもしれない。

母が、そうさせている。

できっこないと決めつけている。

 


兄は甘やかされているまま、おじさんになって

勘違いして威張り腐ってしまっている。

 


母は私から兄の事を聞かされて

自分の息子を、もしくは自分の子育てを否定されているような気になっているのかもしれないとも思う。

 


もしおじさんになった兄にたいして

まだそんな気持ちでいるのなら。

 

出ていくのは、さぞかし心配だろうね。

お金がかかるし、料理も、洗濯も。

 

できっこない設定で育ててきたから、そういう風になっている。

それを今でも手放せない。

 

私の時と同じ、過保護で「何も出来ない・知らない子」にしている。

社会に出るまでは優等生だった兄は

何も出来ない、知らないと自覚はないだろう。

 

全部知っていて、全部わかっていて、俺はすごい。

それしかない。

 

私は逆に劣等感や焦りでいっぱいで

何もできない自分をどうにかしたくて、家を出た。

 

いろんなつらい事があったり

お金もかかったけれど

家にいればよかったと思った事は一度もない。

 

 

困ったわね、と言うけれど

母がしたかったことが、現実になっているだけ。

 

 

私も息子の子育てをしているから

兄を否定すると母を否定するようで、言ってはいけないと思っていた。

 母を傷つけるかも知れないとも思っていた。

でも、兄は成人した子供がいても

おかしくないくらいのいい歳の大人だから。



もう、兄から何か言われて

手が震えて、動悸がして、1人になったら号泣する自分ではないと思う。