別居して、次の目標は仕事探しだった。
別居前から、東京での求人をチェックしてみたりもしたけれど
東京での暮らしは、まだ何がどうなるかさっぱり見当もつかず、ネットで検索を繰り返してはほとんど諦めていた。
東京と言っても田舎なので
家の近くではいい求人が無かったり
やってみたい仕事・条件のいい仕事は都心ばかりで
とても実家に子供を預けて通勤できそうにもなかったし、そもそも何か特別なことが出来るわけでもないアラフォー、シンママ(予定)の私を
雇ってくれるところがあるのかどうか。
書けるのはTOEICのスコアと運転免許くらい。
あとは、夫が勝手に私の退職を決めてきた上場企業での勤務10年弱、
長男が生まれてからはずっと、転勤先で事務や秘書のパート勤務。
正社員で勤務していた時代が、とにかく楽しく、たくさんの事を学び失敗もして
何より、自立できていたという思いが強くて
また正社員にならなくては。という考えで頭がいっぱいだった。
子供がいるから、自立と安定をもとめて
とにかく、とらわれていた。
稼がなくては。
自立しなくては。
「俺ぐらい稼いでから物を言え」
という夫の言葉が離れなかった。
夫を見返したいんじゃない。
稼いだら、逃げられる。
稼いだら、嫌なものと関わらなくてすむ。
そんな風に思っていた。
別居してからも、金銭的な理由で窮屈な思いもした。
実家の居心地も悪くて。
兄ともうまくいかなくて。
私が稼いだら、この世界にいなくて済む。
そう思った。
東京に戻って、まずは、家の近くの会社でパートの仕事をすることにした。
引っ越す前に、もちろん夫にも黙って
オンラインで面接を受けた会社だった。