週末の14時頃、知らない番号から着信があった。


070で始まって、何かのセールスかも知れないし

最近は所用でいくつか業者さんに連絡することもあったのでその関係かもしれないので

気は進まないけれどかけてみた。


スマホをもつ手の親指は

何かあればすぐ電話が切れるように構えて。



電話の相手は、クリーニング屋さんだった。

勢いよくペラペラと喋り始め

「あ、先程お預かりしたワイシャツなんですけど、ほつれがあって。

このまま工場に出してしまっていいか確認のお電話でした」と言われた。



夫が、つい今しがたスーツやワイシャツをクリーニングに出しに行っていたのだとわかった。

夫は一度も自分で行った事のない近所のスーパーに併設されたクリーニング。


番号が違うので今からいいますね、と

夫の電話番号を伝えた。

また、胸がざわつく。



この週末は家にいるんだ。

当たり前だけど、自分でクリーニングに出して

取りに行ってということをしているんだ。



家で洗濯やアイロンをするよりは楽だけど

夫のこだわりの、家では洗えないワイシャツやスーツ、ベストを仕事や家事の合間にクリーニングに出すのが苦痛だった。



週末、夫は家でゴロゴロしているのに

私がクリーニングにいくときもあった。

行ってくる、と言った返事さえもろくにされず夫のワイシャツを引き取りに行く休日。



夫は今みじめな気分なのか

もう慣れたのか、怒っているのか

なんだかわからない。



夫が当たり前の事をやっているだけなのに

その電話がきたせいで

特に知りたくもなかった夫の生活を知ってしまって気分が落ち込んだ。