弁護士さん経由で夫が書いた手紙を受け取った。

 

1度目の調停で、夫の聞き取りのあと

カメラがこちらに戻ってきて

調停員が

 

「Chiiさんに手紙を書いたので、弁護士さんに預けたいとのことです」

 

と言った。

 

手紙。

 

私には直接連絡を取らないようにという事になっているし

受任通知後、謝罪のLINEはきたものの通知で読めるところだけ読んで未読のままにしてある。

 


弁護士さんは私には確認せず、「構いません」とさらっと答えていた。


 

調停から数日経って

弁護士さんから「ご主人からの手紙が届きました」と電話がきた。

開封せず、そのまま実家あてに転送してくれたとのこと。

 

 

読みたくなかった。

本も読まない、年賀状でさえも書かない夫。

人に手紙なんて一度も書いたことはないのではと思う。

 


何かの申請のような必要最低限の記入ですら面倒くさがって嫌がるような人が

私に手紙を書いたと言っている。

 


弁護士さんは

「理由は聞きませんでしたが、今、東京にきているそうです。

 もうさすがに実家を突然訪ねるような事はしないと思いますが、念のため伝えておきます」

と言った。

 

 

仕事で東京に来ることもありえるし

友達に会いに来ているかもしれない。

私に直接会える訳でもないのに手紙を渡すためだけにはこないだろうと思う。

 


「手紙は読んでください。共有した方がいい事があれば、電話でもメールでも連絡をください」と弁護士さんに言われたけれど

読むのが怖かった。


夫の字を見るのも。

 

 

最後のLINEのような内容を

もっと深く書いたもので、謝ってくるに決まっている。


もしくは、調停の場では言えない何かが書いてあるのかもしれない。

 

 

弁護士さんからの連絡後、2日くらいで封筒が届いたと母から連絡があった。

実家へ取りに行くと、母はその場で開けてほしいような様子だったけれど

そのままアパートへ持ち帰った。

なかなか開ける気になれなかった。

 


弁護士事務所の大きな封筒の中に、夫からのものが2通はいっていた。


どちらも「Chiiへ」と封筒に書いてある。

 

 

夫が書いた「Chiiへ」なんて

初めて目にする。


胸がざわざわし始める。


誰かどうしたらいいか教えてほしいと、

誰だか分からないけど助けてほしいと思ってしまう。

 


その晩は、結局二通ともあけることができなかった。