夫と付き合っている時も

結婚してからも

夫の事をわかってあげられるのは私しかいないと思っていた。

 

そこに、自分の価値があると思ってしまっていたのかもしれないと

今になって分かるようになった。

 

同じ会社で働いていたから

共通の知り合いも、上司もたくさんいて。

 

仕事では自分の意見をしっかりいい

仕事が出来て朴訥とした夫は上司の評判もよく

ちょっとしたおしゃべりに、はにかんだように笑うので

年上の女性社員からも「笑うとかわいい」と言われたりもしていた。

 

余計な事を言わないから。

お世辞も、社交辞令も言わない。

 

普段の生活となると、気を使わなくなるので

余計口数が少なくなる。

 

こうなのかな、こうなんだろうな、と

いつも気を使って気持ちを汲んであげていると思っていたけれど

 


何かでケンカになると

「俺はそんな事をいった覚えはない」と言われたりした。

 

確かに言われていない。

でも、何も言ってもくれない。

 

もう、夫が黙って見ている前で踊らされているような気分になる。

 

 

限界に近づいていたころは

もう、気を回すのはやめた。壊れてしまうから。

やめたと言うより、それまではやめ方が分からなかったけれど

もう、できなくなった。

 

 

わかってあげられてはいなかった。

 

ただの私の思い込みなんだ。

 

それをしてほしいとも言われてないのに

私が勝手にそれをして、苦しくなっていたんだ。

 

私がそれが出来なくなってから

みるみる色々なものが崩れて行った。

 

 

夫はきっと私が気を回して動き回るのが当たり前だっただろう。

いろいろ差し出され、気に入らない時にはNOを出すだけ。

 

 

私はどんどん

「もう無理だ」という事を実感していった。

 

私しかこんな人の事を理解できる人はいないという思い込み。

 

いつまでも私が夫のご機嫌を取り続けるという夫の思い込み。

 

差し出すことが出来なくなって

この結婚生活に、自分の人生に、もう価値がないとも思った。