結婚式では、ウェディングドレスとお色直しを一回することになっていたが

お色直しのドレスを借りたドレスショップのプランで

着物での写真撮影をすることになった。

 

私は赤い色打掛を選び、夫も羽織袴を着る。

 

撮影当日、着付けが終わり

スタジオで撮影が始まると、女性のカメラマンの出す指示に従う。

 

足をもう少しこちらに向けて

あごを少し引いて

目線はあの辺にお願いします

 

 

 

途中途中で、メイクを少し直したり、髪を直したり。

 

夫は無愛想だし、カメラに向かって上手に笑顔を向けるなんて事はない。

 

そのうち、夫が不機嫌になったのが分かった。

カメラマンさんのテンションの高い指示出しにいらついていた。

 

これくらい、当たり前じゃない?と思ったけれど

もうどうしようもない。

 

「旦那さま、こちらに目線をくださーい」と言われても無視。

 

「あれ?こちらです、お願いしまーす」と元気に言われるが

無視しているので、スタジオの雰囲気がおかしくなっていく。

 

 

早く終わりたい、という気持ちでいっぱいになり

ウェディングフォトを撮りに来て

どうしてこんな事になるのだろうと悲しくなった。

 

 

後日、義母からの電話で「撮影どうだった?」と言われ

「〇〇君(夫)が、あれこれ指示出されて疲れちゃって」と言うと

 

 

「あー、やっぱりね。もう、しょうがないわねぇ」と笑っていた。