息子は好き嫌いが多く
野菜、特に緑のものは基本的に嫌い。
シチューに入ってクタクタになったブロッコリーなどは食べられるし
お味噌汁は食べられたので、汁物で野菜をとれるようにしていた。
特に夫がいる週末は、なるべく息子が食べやすいメニューにした。
それでもサラダや何かしらの野菜のおかずは
バランスを考えて必ず作っていたので
私は、食事が始まる前に息子に必ず
「少しでもいいから、自分でお皿に取って食べてみてね」と声をかけていた。
夫は息子が嫌いなものに手を出さないと
「お父さんがとってあげようか?」と言って
山もりの野菜をどさっと息子のお皿に取り分けたりした。
食えと言わんばかりに
ジーっと近くでにらみつけている。
息子は下を向いて、じーっとしている。
しばらく考えてから、箸を動かし一生懸命食べ始める。
何度もお水をおかわりして、流し込んでいる。
時にはえずいたりしている時もある。
それでさえも、
「味噌汁があるんだから水を飲むな」と言ったりした。
好き嫌いなく食べたほうがいいに決まっている。
野菜を作った人もいるし、ご飯が食べられない子供も世界にはたくさんいる。
そうなんだけど。
けど。
大人だって、自分がえずくくらい嫌いな食べ物を
ドサッと取り分けられて
怖いと思っている相手にジーっと監視されて
残さず食べろと言われたらつらいに決まっている。
拷問のようだと思う。
食事中はおしゃべりもしてはいけなかった。
子供たちは、保育園での出来事や
私に聞いてほしい事もたくさんあるのに。
シーンとした中で、嫌いなものを食べ終わるまで
すぐ隣で監視されている。
どうにか食べ終わり、子供たちは食器を下げる。
夫は下げない。
息子は、
「おかあさん、お野菜なしにしてよ」
「おかあさん、どうしてお父さんがいる日に僕が嫌いな物作ったの」
「どうしてお父さんは自分のお皿片付けないの」
などと訴えかけてきた。
食事が始まる前には、こっそり
「おかあさん、僕のは少なくして」と言いに来るようにもなった。
早く、父親のいる食事の時間を終わらせるため。
ご飯は楽しく食べたいよね。
すこしだけにして、じゃなくて
好きなものたくさん食べたいよね。
お母さんにいろいろお話ししたかったよね。
お母さんも、せっかく頑張って作ったご飯だから
みんなで楽しく食べてほしいと思っていて。
いつも週末の4人でのご飯は緊張して嫌だった。
かわいそうだったね。
おかあさん何してたんだろうね。
ごめんね。
今は、好きなものばかり食べがちだけど
でも緊張しないでご飯を食べられるし
前はお父さんの食べっぱなしのお皿を
お母さんが下げないと座る場所がなかったけど
今は最初からお母さんが座る席もあるね。