子供二人を連れて新幹線で実家へ帰った3月末。
表向きは単身赴任という名の別居。
夜逃げは出来なかったから
出発する日まで、夫と4人で暮らしていた。
最後は特に、本当に針のむしろの日々だった。
その日の朝まで、夫からいろいろと言われ
子供のお友達が家の外にきてくれていたのに
玄関で夫と私が話していたため
息子と娘は外に出られず、窓から顔を出して、
お友達のママたちの携帯で外にいるみんなと写真をとったと後から知った。
ローカル線の最寄り駅までお友達家族がきてくれて、私はもうすぐ電車がくるという時に涙か込み上げてきた。
みんな、電車が発進するまで、お互い見えなくなるまで、手を振って見送ってくれた。
息子は電車の中で静かに、顔をくちゃくちゃにして泣いていた。
新幹線にのり、東京駅までは私の父が迎えにきてくれた。
じいちゃん!と子供ふたりは父の手をとって喜んだ。
ちょうどお昼時だったので
駅構内のお蕎麦屋さんへ行くことにした。
東京駅で私と娘がお手洗いに行っている間
息子が父に
「今日もおかあさんはかわいそうだった」と言ったらしい。
出発間際まで私と夫がもめていて、私が泣いていたのを見ていたから。
私は、息子がそんな事を言っていたのを
つい数日前まで知らず
父がふと口にしたそれを聞いて、胸がしめつけられた。
ごめんね。
おかあさんが我慢すれば、頑張ればどうにか出来るなんて、おこがましかったんだよね。