息子が6歳、娘が4歳くらいの時。

 

いつも9時になると私が二人を連れて二階の寝室へ行き

すこしお話ししたり、絵本を読んだりして寝かしつけをしていた。

 

夫は、いつもと同じく食べた食器もそのままに

テレビをつけながらソファに横たわりずっとスマホをいじっている。

 

寝かしつけの間は、もちろん家事は出来ないし

すんなり寝てくれない日もあり、夜のこの時間がとても負担に感じていた。

 

夫はある日子供たちに向かって「二人で寝なさい」と言い

息子は本当は嫌だったはずなのに夫の顔色をうかがって

二階へあがっていった。

 

娘は、お母さんがいないと嫌だといい、

夫はソファに寝転んだまま、娘を近くに立たせ

ひとりで二階に行くようにお説教を始めた。

 

涙を流しながら一生懸命「いやだ」「行けない」と訴える娘。

自分たちで寝てくれたらどんなに楽かとは思うけれど

今まで毎日一緒に寝ていたのに

4歳の子供がいきなり母親なしで寝るように言われている。

 

私が「まだ無理だよ」「もういいから」と口をはさむと

「口出すんじゃねえよ。お前がそうやって甘やかして

自分で大変にしてるんだろうが」と言われた。

 

そうなの? 私が悪いの?

 

娘は「行けない」と言っていたが、リビングから出された。

私は夫に「口を出すな」と言われリビングから動けなかった。

 

 

「自分たちで寝てくれたらいいけど、急にできっこない」と

精一杯言ったけれど、「だったら勝手にしろ」と言われた。

 

 

てっきり二階に行ったものだと思っていたのに

しばらくしてから息子が、階段の上の方からリビングに向かって

「おかあさーん、〇〇(娘)が階段で寝てるよ!」と私を呼んだ。

 

 

慌てて向かうと、二階に行くことも出来ず

夫を気にしてリビングに戻ることも出来なかった娘が

5段くらいあがった階段のカーブしている少し広いところで

一つ上の階段にもたれて眠っていた。

 

慌てて抱き上げて二階へ運ぶ。

 

ごめんね。あり得ない。

4歳の娘が階段で寂しい思いをして眠っている。

 

今これを思い出すと涙があふれてくる。

聞いた私の友達も途中から涙を流していた。

 

何故わたしは体が動かなかったんだろう。

夫が恐ろしかったから。

甘やかしていると言われ自分にも自信がなかったから。

 

でも、子供たちを守らないといけないのに。

何をしてたんだろう。